今回は男子100メートルで10秒00(追い風1.7メートル)の日本高校新記録を樹立し、200メートルとの2冠を達成した星稜の清水空跳(2年)。桐生祥秀の従来記録(10秒01)を12年ぶりに塗り替え、一躍、注目の的となった16歳はどんなスプリンターなのか。これまでの競技人生を辿り、身長164センチながら生み出す爆発力の要因に迫った。(取材・文=THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂)
弱冠16歳の小さなスプリンターが日本、そして世界に大きな衝撃を与えた。
灼熱のホットスタッフフィールド広島。タイムレース形式となった男子100メートル決勝3組。全体1番目のリアクションタイムで抜群のスタートを切った清水は、爽やかなセンターパートヘアを風になびかせ、ぐんぐん加速した。50メートル付近ですでに他の選手を置き去りにして圧勝。電光掲示板に「10.00」が表示されると、会場から起こったどよめきは、間もなく歓喜に変わった。西日を浴びた16歳の笑顔がトラックに映えた。
「自分でも衝撃のタイム。10秒1台を飛び越えて0台が出せて嬉しい。最終組で追い込まれる状況ってものがあってのこのタイムだと思う。伝説を作ったのかなという気がします」。1000分の1秒まで発表されたタイムは「9秒995」。200メートルでは追い風参考(2.7メートル)ながら、サニブラウン・ハキームが持つ日本高校記録まで0秒05に迫る20秒39で目標の2冠を達成。4×100メートルリレーも含め、計6本のレースを走り切った。
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身長164センチと小柄も「この体だからこそできる動きがある」
身長164センチと短距離選手としては小柄。正雄さんは「早生まれだし、背の順は1番前かその後ろ」と明かす。にもかかわらず、異次元の爆発力を生み出せるのはなぜか。
本人が分析するのは、上半身と下半身の連動性の高さ。それぞれを力任せに動かすのではなく、「身体の中心の股関節周りから前に突き飛ばすイメージ」を体現することで、上半身と下半身がついてきて推進力が高まるという。星稜高にある「骨盤ドリル」や肩甲骨を動かすメニューを取り入れて強化した。
今大会、共に4×100メートルリレーに出場し、3走を務めた同級生の菊田楓(2年)はその凄さを間近で感じる一人。「加速に乗るまでが速すぎる。伸びもすごいし、全部速い」。100メートル予選で隣のレーンを走った杉山輝(愛産大三河3年)も「最初(スタート)からこんなに違うんだと。自分も同じ身長なのに何が違うんだろう」と驚く。小柄でも世界と渡り合える武器がある。
日本人初の桐生を筆頭に男子100メートルで9秒台に突入したのは、日本記録保持者の山縣亮太、サニブラウン、小池祐貴の4人。体一つで戦う陸上競技は体格も大きく影響する。日本の9秒台スプリンターには170センチ以下の選手はいない。最も大きいサニブラウンで190センチ、最も小さい小池ですら173センチ。世界記録保持者のウサイン・ボルト(ジャマイカ)は196センチと、世界になると大男ばかりだ。
引用元: ・【陸上100m】身長164cm・陸上界に現れた超新星・清水空跳(16)とは何者か 「背の順は1番前か2番」で10秒00の理由 [ネギうどん★]
ムダな記録
ボルトが196cmだけど、その前の100m記録保持者も190cmあった
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