宿泊税、 「1人1泊200円」予定通り12月導入へ 北海道、青森、熊本など

青森県弘前市が12月1日からの導入を目指す東北初の宿泊税（1人1泊200円）新設について、村上誠一郎総務相は22日、北海道函館市や熊本市など全国9市町村とともに同意した。税新設に関する行政上の手続きはほぼクリアしたことになり、桜田宏市長は東奥日報の取材に対し、「観光客に満足していただける取り組みを進めるために必要な財源であり、大変うれしい。宿泊者にも理解していただけるような施策を展開したい」と語った。

同市は2023年から宿泊税導入に向けた検討を開始。関係者や市民から幅広く意見を聞いて条例案をまとめ、市議会は3月に関連条例案を可決した。市が5月に開いた宿泊事業者向け説明会では、徴収業務に関わる情報システム導入経費を全額補助（1施設当たり上限50万円）する負担軽減策を示すなど、12月導入に向けた準備を進めている。

総務省が公表した資料には、税の使途を「弘前市の自然、歴史、文化、伝統など地域資源の魅力を高め、国内外の人々の来訪および交流を促進するとともに、市民生活と調和した持続可能な観光の振興を図る施策に要する経費」と明記。

認定こども園や保育所の行事参加者、修学旅行生などは引率者を含めて課税を免除する。年約1億2千万円の増収を見込む。

総務相が宿泊税の新設に同意した自治体は計34自治体となり、うち東京都や京都市など12自治体が導入済み。函館市は26年4月からの導入を予定しており、増収は年約3億9千万円を見込んでいる。