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7/22(火) 14:03
新潟日報
ある飲食店を訪れた際、「前向き駐車」という大きな看板が目に入った。街中で時々見かける前向き駐車の表示。ところが、話題にすると、人によって「前進して駐車」「帰るときにすぐ前進できるようバックして駐車」など前向き駐車への認識が異なるようだ。前向き駐車とは何か、なぜ表示しているのか、調べてみた。
新潟市の駐車場でつくる「新潟駐車協会」(新潟市中央区)に聞いてみると、車両の止め方は駐車場側が決めるのが基本で「排ガスをめぐるトラブルを懸念して、前向きと表示するケースがある」という。前向きとは「前進して駐車」を指すのが一般的とみられる。
一方、運転のノウハウを学ぶ自動車教習の指針となる警察庁交通局の資料では「前向き駐車」という項目はなく、駐車の向きに関する決まりはない。
上越自動車学校(上越市)の校長、加藤博文さんは「自動車学校ではバックの技術を使った縦列駐車や方向変換は教えるが、前向き駐車を指導するカリキュラムはない」と説明する。
前向き駐車は、両脇に車が止まると、死角が増えて事故のリスクが上がる。このため、加藤さんは「バック駐車は発進時に目視で安全確認をしやすい利点がある」と話した。
では、なぜ前向き駐車をお願いしているのか。記者が訪れた上越市の飲食店を経営する「肉のたなべ」。社長の田辺勲さんは「排ガスが民家にかかってしまう」と隣接住宅への配慮を語る。駐車場の一部が民家に面していることから、15年ほど前から前向き駐車を促す看板を出すようになった。
ただ、前向きで止めない車両もあるようで、田辺さんは「普段からあえて前向き駐車する習慣がないからなのか」と推測する。
排ガスの他にも理由がありそうだ。上越市の教育プラザにある駐車場は、グラウンド側に向かって前向きに駐車をするよう呼びかけている。
施設を管理する市教育委員会によると、隣接する体育館の利用者らが夜間に使うことが多く「バックで止めると、車のライトが近くの住宅街を照らしてしまい、住民の迷惑になるのを防ぐため」と説明する。
前向き駐車は前進方向に止めるため、スムーズに駐車できる。ただ、バックで発進することになる。県警交通企画課交通調査官の荒木慎弥さんは「歩行者や通行車両に気づきにくく、事故のリスクが上がるため、注意が必要だ」と呼びかける。
バックモニターやセンサーなど、衝突事故を防止する機能を搭載した車も増えているが、目視による安全確認を基本とする。
さらに荒木さんは「駐車場で前向きを呼びかける背景はさまざまだと思う。止め方も運転も、相手への思いやりを持ってハンドルを握ってほしい」と話した。
引用元: ・「前向き駐車」は何のため? バック駐車に安全確認上の利点も…調べてわかった、それぞれの思いやり [七波羅探題★]
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