「自らのこと考えて判断してない。国家、国民のため」石破首相、大敗でも続投の理由説明石破茂首相(自民党総裁)は21日の記者会見で、参院選で与党が大敗しても首相を続投する考えを改めて強調し、「自らのことを考えて判断するというのは全くございません。ただ国家、国民のため、いただいた支持に対する責任をどう果たすかということを考えている」と語った。
氏に退陣求めた過去思い起す
首相は続投する理由について、トランプ米政権による関税措置、物価高騰、首都直下型地震など自然災害への対応などを挙げ、「いま最も大切なことは、国政に停滞を招かないということだ」と語っている。
一方、石破首相は、平成19年の参院選で自民党が惨敗した際、当時の晋三首相に対して両院議員総会で公然と退陣を要求した経緯がある。
この日の会見では、当時の氏に対する発言との整合性を問われ、「一字一句克明に覚えているわけではないが、総裁が続投されるという表明をした。だとすると、なぜ続投なさるのかを述べてもらい、国民の理解を得る必要があるだろうと申し上げた」と振り返った。
石破首相は「したがって、私もいまそのことを思い起こしながら発言している」と述べ、当時の氏は続投する理由を明確にしなかったことを示唆した。
党勢理由の特定「難しい」
一方、自民党は、昨年10月に石破首相が就任して以降、同月の衆院選や今年6月の東京都議選、今回の参院選と敗北を重ねている。
会見では、有権者の広範な支持を得られなくなっている理由について、「いろいろな要因があって、これだけが理由だと特定することは極めて難しい」と説明した。
首相は「政治改革の問題、物価高に対する対応、外国人の方々への対応、多岐にわたって要因はある」と述べた上で、「その要因について、ここでこれとこれとこれということを断定的に申し上げるのではなく、党の中で本当に、真剣に、真摯(しんし)に、早急に、分析し、教訓を得てまいりたい」と語った。
石破首相は会見で、党勢低迷の要因に自身の存在を挙げることはなかった。(奥原慎平)

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