ヒントは、先ほどのセリフにもあったように「1と自分の数でしか割ることのできない数字」ですよ。
◆中学3年生の約7割が「素数」の意味を知らない
答えは、2,3,5,7の4つ。
1を選んだ方もいらっしゃるかもしれませんが、1は1でしか割ることができず、「1と自分の数」の2つの数で割れないため、素数の条件を満たしません。
この問題、実は先日行われた全国学力調査で中学3年生が解いたところ、正答率が驚きの32.2%だったそう。無回答率は0.7%。100人いたら、30人程度しか、「素数」の意味するところを分かっていないことを示します。
「生きる力」を重視するあまり、本当に大事で基本的なものを忘れてしまっているのではないでしょうか。
今回は、基礎学力調査で明らかになった「忘れ物」に迫ります。
◆国語で正答率がガクンと下がる問題
「展示する作品は、どれもカイシンの出来だ」とあったとき、「カイシン」に当てはまる漢字として正しいのは、次のどれでしょうか?
①会心
②改心
③改新
答えはもちろん①「会心」ですが、この問題も正答率は低く、35.7%しか正しい漢字を選べていません。ちなみに、無回答率は0.2%でした。
さらに、国語の問題を追っていくと、40~60%程度の正答率が多い中で、ガクンと下がる問題に突き当たります。記述式の問題です。
国語では全4問の記述問題がある中で、正答率は一番高いものでも31.2%。
無回答率もほかの問題よりも高く、27%の生徒が無回答で提出している問題もあります。
時間的な制約もあるでしょうが、そもそも「書く」ことが選択肢よりもハードルが高いため、手が遠のいている可能性があります。
それぞれの記述問題は自由記述ではなく、テーマや条件が付帯しています。これらの制限を満たしている文章が正解となりますが、無回答率が1桁パーセントでありながら正答率が低いということは、「条件を満たせていない」もしくは「文法的に誤っている」など求められた答えとは異なる文章を出力していると読めます。
◆なぜ7割の中学生が記述問題を間違えるのかhttps://news.nifty.com/article/magazine/12193-4320940/
つまり、単純に文章が読めていない。
文章力については様々要因があるでしょうが、ひとつは言葉の知識の欠如が大きいのではないかと私は考えます。単語や熟語など、パーツ単位の知識はもちろんのこと、一般常識的な知識・教養が欠けているように見えるのです。
いま「詰め込み教育」は、親の仇のように扱われています。確かに、目的も与えずに知識をひたすら詰め込むことに意味はない。とはいえ、それは目的がないから問題だったのであって、「知識がある状態」自体は、良いものだったはずなのです。
よく「地頭が良ければ~」とか「知識だけあっても~」などと、まるで思考力のほうが知識よりも優先するかのような物言いをされる方がいらっしゃいますが、本当に辟易します。
地頭を現場で作業する能力とするならば、知識は建設資材です。どんなに技術があっても、道具がなければ人は働けません。
◆「思考力」という甘い言葉に惑わされるな
本来、「思考力」とは、最低限の知識があって初めて活きるものであり、いたずらに思考力だけを追い求めても、中身のない張りぼてのような人間ができるだけでしょう。
そして、思考力を身に着ける教育は、今のところうまくいっていないように見えます。本当に思考力が身についているならば、記述問題の正答率がもっと高くてもよいのではないでしょうか。
引用元: ・中学3年生の約7割が素数の意味を知らず [バイト歴50年★]
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