◇低い若者の投票率
総務省の調査で2024年の衆院選(投票率53.85%)の年代別の投票率(抽出調査)をみると10歳代が39.43%、20歳代が34.62%となっています。これに対して60歳代は68.02%、70歳代以上は60.42%でした。
若者と高齢者の投票率に差があることは日本の政治のあり方を決める大きな要因になっています。
◇近づく「3割」と消費税
日本は65歳以上の高齢者が全人口の3割に近づいています(2024年9月現在推計で3625万人、29.3%)。人数が多いうえに投票率が高いため、投票結果に与える影響は大きくなります。政党も、候補者も、票田として高齢者向けの政策を重視します。
もっとも、高齢者向けといっても現役世代や若者と無縁というわけではありません。現役世代もいずれ高齢者になるのは当然ですが、それだけではありません。
たとえば参院選では消費税が焦点になっていますが、消費税が導入され、また税率が引き上げられてきたのは、基本的には高齢者人口の増加に伴って急増する社会保障給付費に対応するためです。
医療、介護などを含み、生活保障の意味もある社会保障給付費はその性格上、削減が難しい支出です。日本の高齢者人口は今後も増加が続き、40年には約4000万人に近づく(国立社会保障・人口問題研究所の推計で3928万人)と推定されています。支出の伸びをどれほど抑制するかが課題であって、総額の削減はほとんど不可能なのが現実です。
◇高齢者は優遇されすぎている?
「高齢者は優遇されすぎている」といった言い方もありますが、高齢者一人一人は社会的に弱い人たちであることも多いのです。子どもの数が減る一方で平均寿命が延び、人口に占める高齢者の割合が増えているのは社会構造の問題です。個人の責任ではありません。
たとえば介護保険の保険料は現役世代(40歳以上)も負担しています。介護を社会全体でみることが、現役世代にとっても必要だという考え方からです。介護保険には不十分な面は多くありますが、もし介護保険制度がなければ今よりもっと多くの現役世代が介護離職を強いられていたであろうことも確かです。
病気がちだったり、障害があったりして、医療費や介護費はかかるのに働けないことも多い高齢者は、早くいなくなってもらったほうが現役世代の負担は軽くなるかもしれません。しかし、長生きすることを責められる社会でよいのでしょうか。(政治プレミア)
毎日新聞7/17(木) 7:35配
https://news.yahoo.co.jp/articles/cb44805dfa1a9daec147a59306848d7b851e4900
引用元: ・【参院選】高齢者は優遇されすぎか 高齢者と政治 現役世代の負担をどうするか 低い若者の投票率 [七波羅探題★]
コメント