折しも7月8日、米CNNは、トランプ米大統領が就任前の昨年、中国の習近平国家主席に「台湾が侵攻された場合には、アメリカが北京を爆撃すると伝えたことがある」と支持者らに述べていたというニュースを報じた。トランプ氏特有の嘘かもしれないが、少なくとも米国大統領の頭の中に、台湾有事の際に北京を攻撃する選択肢があるということを物語る。
前述のヘグセス国防長官の発言と合わせて考えると、台湾有事の際に、日本の米軍基地を飛び立った米戦闘機から中国領空外でミサイルを発射し、北京を攻撃するかもしれないということだ。中国は、米国本土ではなく、日本の米軍基地や、米軍と共用される自衛隊の基地に反撃するだろう。自衛隊の基地の滑走路が破壊された場合の復旧訓練はその時のためである。ヘグセス国防長官は、最初に北京にミサイルを発射するのは自衛隊機だと考えているかもしれない。
日本が攻撃される想定で日米の大がかりな軍事訓練が参議院選挙の最中に行われる。そして、それに立憲など政権交代を掲げる政党が抗議さえしない。背筋が凍るような事態ではないか。
ウクライナやガザの悲惨な映像を毎日見ていながら、国民は、台湾有事には日本も参戦すると考えている政党に平気で1票を投じようとしているのだ。
「平和ボケ」なのか。
今回の選挙の隠れた、そして、最大の意義は、「何がなんでも戦争しない」というテーマにイエスと言える政党、いや政治家を選ぶのか(同じ政党でも全く考えの異なる政治家がいる)、それとも、戦争には反対だがと言いつつも、「いざとなったら戦争も辞さない」と内心考えている政治家を選ぶのかという点にある。
残念ながら、このような論点の立て方をするマスコミはないので、多くの人はこの隠れた争点に気づいていない。政治家も怖くてこのテーマには触れない。
■日本は中立の立場を宣言すべき
ところで、「何がなんでも戦争しない」と言うと、必ず、「攻撃されても戦わないのか?」というツッコミが入る。
「攻撃された時は別だ」と答えれば、「やっぱり戦争するんじゃないか。戦争しないという言葉を撤回しろ」と言われることが目に見えている。
しかし、こうした質問に答えるのは簡単だ。
具体的に戦争になるとは何を想定しているのかと逆に聞けば良い。ロシアが突然日本に攻めてくると言う人はいないだろう。北朝鮮がミサイルを撃ち込んでくるというのも、少し考えればあり得ないということは簡単にわかる。
しかし、台湾有事の話になると話は違う。2027年にも中国が台湾を武力統合するという話が流布しているからだ。
その話自体、全く根拠のないデマであるのだが、仮に百歩譲って、それが本当であっても、私は、そんなことは、日本には関係ないと言うことができる。
中国が台湾を武力統合しようとした時、日本に被害が及ぶのは、米国が台湾防衛のために日本に協力を求め、日本が参戦する場合のみである。その場合は、日本は中国の標的となる。
しかし、そのような事態を避けるのは簡単だ。
日本が完全に中立の立場を取ることを宣言して実行すれば良い。もちろん、平時の今こそ、米国にそれを伝えることが必須である。日本が参戦しない限り、米国はこの地域で中国には勝てないというのが米側の分析だ。したがって、日本が協力しなければ、米国は中国と戦争できない。逆に、中国の台湾武力統合を避けるために最大限の外交努力を行うだろう。
そもそも、台湾は中国の領土の一部であるという中国の主張を、日本政府も理解し、尊重している。日本と台湾の間には国交はなく、いかなる意味でも、日本が台湾の安全保障に直接関わる理由はない。したがって、台湾有事=日本有事という命題は成り立たない。
日本がこうした立場を取れば、中国も焦って台湾を武力統合するなどという愚かな行動に出ることもない。そんなことをしても、国際的に孤立し、欧米などから厳しい制裁を受けることは確実だからだ。これまでどおり中台関係を深化させることで長期的に平和統合を目指すことの方がはるかに理にかなっている。中国外務省の関係者と話すと誰もがそういう考えである。
(略)
このままでは、国民は知らないうちに戦争にイエスという票を投じてしまうかもしれない。共産、れいわ、社民を応援するのも良いが、それだけでは足りない。
だとすれば、「何がなんでも戦争しない」と言える「隠れ戦争絶対反対派」の政治家を見つけ出し、彼らに投票することこそ一番大事なことではないのか。
全文はソースで
https://news.yahoo.co.jp/articles/ed467bf5614eb4168caab943b4fb266b544aacfd?page=1
引用元: ・【古賀茂明】「台湾有事」をどの政党も口にしない異常事態…参院選は隠れた「戦争絶対反対派」の政治家を発掘して当選させよ [7/15] [昆虫図鑑★]
変わっただけだよ
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