3月ごろから増えた投稿
<生活保護世帯数って、165万世帯で外国人生活保護世帯が56万世帯。33%が外国人じゃん。3分の1が外国人ってどうなんだろ>
X(ツイッター)などでは、こうした投稿が3月ごろから増えた。投稿とともに広く拡散しているのは、ウェブで3月17日に配信された記事とそのグラフを引用したものだ。
記事は、2024年の生活保護申請が5年連続で増加し、過去12年間で最多に達したことを伝えたもの。
生活保護を受給している外国人の世帯数(世帯主が日本国籍を持っていない世帯)が22年には56万8000世帯ほどで推移していたことを示したグラフも挿入されており、出典元とともに「数字は年間のべ総数」との注釈が付いていた。つまり、毎月の外国人の受給世帯数を12カ月分積み上げた数字だ。
誤った数字が拡散
生活保護は原則月1回支給される制度で、厚生労働省が毎年公表している受給世帯数(確定値)も1カ月の平均値を基準にしている。
厚労省によると、23年度に生活保護を受給した世帯数(23年4月~24年3月の月平均)は全国で165万478世帯で、このうち外国籍の人が世帯主のケースは、4万7317世帯だった。
計算すると、生活保護を受給している全世帯のおよそ2.9%に当たり、指摘されている3分の1には遠く及ばない。22年度も約2.9%と同様だった。
一方、拡散されている投稿の内容を見ると、全体の受給世帯数は約165万という1カ月分の数値なのに対して、受給する外国人世帯数の方は12カ月の延べ数(約56万)で対比されているため、外国人受給世帯の割合が30%を超えているという誤った数字が算出されていた。
この誤った数字が拡散されたことで、冒頭に紹介したXの投稿など批判的な受け止めがネット上に広がったとみられる。
「3分の1」数字が独り歩き
SNSの拡散で広く「根拠」として引用されたのは公益財団法人「ニッポンドットコム」が運営するウェブサイト「ニッポンドットコム」が配信したものだった。
確認すると、一部で出回っているグラフや記事には、生活保護を受給している外国人の世帯数について、「のべ総数」と記した注釈部分がないものがあった。
ニッポンドットコム編集部に取材すると、3月に配信後に読者から指摘があり、誤解を生じさせることから「のべ総数」という注釈を加え、4月に再配信したのだという。
だが、SNSでは古い内容が更新されないまま広まったことで、「生活保護の3分の1は外国人」という数字が独り歩きしていったとみられる。
ニッポンドットコム編集部は7月9日、経緯を記した上で「この記事を基に誤情報が出回っている」として記事を削除。「外国籍世帯の生活保護 総受給世帯の約2.9%」とする記事を新たに配信して、注意を促している。
ファクトチェックの判定基準は(略)
毎日新聞 2025/7/11 05:30(最終更新 7/11 05:30)
https://mainichi.jp/articles/20250710/k00/00m/010/360000c
引用元: ・「生活保護受給世帯の3分の1は外国人」は誤り SNSで誤情報拡散 [蚤の市★]
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