３０年間〝刑務所〟にいた男　仮釈放され約２４２億円の宝くじ当選もまた逮捕

　米ケンタッキー州で数字選択式宝くじ「パワーボール」で１億６７３０万ドル（約２４２億円）もの超高額当選した男は、当選前に３０年間〝刑務所〟にいた常習犯罪者だった。しかも、当選４日後にまた逮捕され、近日、裁判が行われ、最長５年の懲役刑が課せられる可能性がある。米紙ニューヨーク・ポストが先日、報じた。

　ジェームズ・ファーシング被告（５０）は４月にケンタッキー州で最高額の宝くじのジャックポットを獲得し、賞金を受け取った。しかし、４日後にフロリダ州のホテルで、別の宿泊客の顔面を殴り、介入しようとした保安官を蹴ったとして逮捕された。ファーシング被告は、長年の犯罪歴があったため、仮釈放担当官に通知せずにケンタッキー州を離れたことで仮釈放違反を犯したことにもなった。

　５０年間の人生のうち３０年間を２５か所の刑務所などで過ごしてきた。

　常習犯罪者から一夜にして億万長者になったこの男はこれまで、窃盗したり、危険運転したり、恋人の首を絞めたり、獄中で警官に賄賂を贈ったり、潜入捜査官にコカインを売ったりするなど、ケンタッキー州９郡で数々の犯罪で有罪判決を受けている。近年、ファーシング被告は麻薬取引を始め、さらに罪を重くし、母親を巻き込んでマリフアナを厳重警備施設に密輸する計画にまで加担した。ファーシング被告は司法取引を受け入れ、懲役１０年の判決を受けた。

　刑務所に収監されていても、ファーシング被告は、薬物やアルコール関連器具を刑務所内に持ち込んだり、他の受刑者の所有物を盗んだりした。

　まれに仮釈放申請が認められることがあっても、マリフアナなどの薬物検査で陽性反応が出るなどして、仮釈放は取り消されてきた。

　今回、フロリダ州ピネラス郡での保安官への暴行で逮捕・起訴され、宝くじの当選金の一部は、１万１０００ドル（約１５９万円）の保釈金に充てられた。無罪を主張し、７月１４日に罪状認否手続きが予定されている。この裁判では、保安官への暴行だけで、最長５年の懲役刑が科される可能性がある。