ところが生まれてきた子どもは、そんな実態や裏事情など知るよしもなく、無邪気に親に対して全幅の信頼をおいています。つまり人格形成期の前半において、子どもにとっての親は、ほぼ神のごとき存在なのです。
もちろん10年以上経った思春期あたりから親への批判的視点が芽生え始め、それまで鵜呑みにして受け取ってきたことを疑えるようになりますが、その時点ではもう既に、子どもの人格の基礎部分には、しっかりと親の足跡が残されてしまっているわけです。
現代に多い核家族においては、その閉鎖的な環境ゆえに、親の未熟さや偏りが、ダイレクトに子どもに影響しやすいという問題もあります。
昔の大家族や「古き良き」地域コミュニティの中では、親が単独で子育てをするのでなく、複数の大人たちが子どもをゆったりと見守って育てていたような状況でした。
たとえ親自身に偏りや未熟さがあったとしても、その弊害は複数性によって適度に希釈されるので、子どもへの悪影響も、直接的なものではなかったのです。
しかし、今日の核家族という環境は、育児負担が親だけに集中してしまい、親に余裕がなくなるだけでなく、その閉じた隔離的状況の中では、親の言動が子どもに対して一種の洗脳的な作用を及ぼすことになってしまいやすいのです。
また、自閉的傾向のある人が親になった場合などは、本人としては普通に子育てをしているつもりでも、子どもに対して、質的にかなり悪影響を及ぼしてしまうことが少なくありません。子どもに向ける関心が表面的なものにとどまっていたり、過度なしつけや学歴偏重志向など、偏狭な価値観を押し付けていることに無自覚だったりします。
さらにその自閉的特性ゆえに、一貫性のない矛盾だらけの関わりをしてしまったり、泣き声や騒がしさを極度に嫌い、これを感情的に叱責したり、思い通りでないとささいなことでもキレやすかったりなど、家の中の雰囲気はピリピリしたものになりがちです。
詳しくはこちら(抜粋)
https://news.yahoo.co.jp/articles/4112f9eef7acf98bdaab9557f6397ded8bb9feab?page=1
引用元: ・【子育て】精神科医「子にとって親は<ほぼ神のごとき存在>。しかしもちろん親も不完全な人間で…」今日の<核家族>という環境が子に及ぼす影響とは
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