医薬品輸出大国でもある中国は、政府がフェンタニル原料を製造する国内企業に「補助金」をだして製造を奨励していた。医薬品として正しく使う相手に製品を販売していたのなら、もちろん問題はない。だが、2020年代初頭にはすでに、アメリカ国内で乱用されている薬物が「中国発のフェンタニル」という事実はある程度明らかになっており、それでも中国側は有効な対策をとらなかった、というのが事実だ。
アメリカのドナルド・トランプ大統領が就任直後、中国に超高額な関税をかけたとき、格安ネット通販などとともに、違法フェンタニル問題も課題のひとつとして挙げ、中国の動向を強くけん制したことも記憶に新しい。フェンタニル問題については、同様にカナダやメキシコにも適切な策をとっていないと、高額関税の発動で圧力を強めていたのだ。
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さらに「遠い国の出来事」と思っていた我々を恐怖に突き落とすような情報まで飛び出した。前出の警察担当記者が続ける。
「大阪の西成で、フェンタニル中毒者をみた、という情報がいくつか寄せられています。SNSを見ると、極めて不自然な姿勢で歩く男性が写っていて、報道で見た、アメリカのフェンタニル中毒者とそっくりなんです。本当にフェンタニルを使っているか確認はできていませんが」(全国紙警察担当記者)
実は筆者も今年3月頃、大阪市内や北関東、北部九州などで、すでに「フェンタニル」らしき薬物を使用した人物がいる、という情報を得ていた。この時、同時に聞いていたのが「ケタペン」なるおそらく、フェンタニルとは別物と思われる薬物の存在だ。かつて、日本国内で危険ドラッグの製造、販売に携わっていた元暴力団関係者の男性が解説する。
「すでに”ケタペン”などの名前の中国製ドラッグが日本に出回っています。中身は、アメリカで売れなくなったフェンタニルとも、薬物の”ケタミン”を含有しているともいわれていますが、実際は何が入っているかわからない。ただ、ほかの薬物より安価で、リキッド状だから電子タバコのように気軽に吸えるので、人気が出つつある。繁華街にある雑貨店では、こうした得体の知れないドラッグが秘密裏に販売され始めています」(元暴力団員の男性)
引用元: ・【現代のアヘン戦争】合成麻薬「フェンタニル」日本にも中毒者か、大阪府での目撃情報多数 名古屋拠点にアメリカに密輸の衝撃
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