イーロン・マスクが「最側近の幹部」を解雇 人型ロボット責任者も退社　トランプと関係を深めたことでブランドイメージは大きく低下

アフシャーの解任は、欧州におけるテスラのEV販売台数が5カ月連続で減少したというニュースに続くもので、
数日後には同社の第2四半期（4月～6月）の終了が迫る中で行われた。
テスラの販売台数は、米国でも年初から減少しており、オースティンに拠点を置く同社最大の市場である中国でも、5月に15％の落ち込みを記録した。
株式アナリストらは、6月30日までの四半期におけるテスラのグローバルのEV納車台数が、前年同期の44万3956台から
少なくとも10％減少し、約39万2800台になると予想している。

テスラのブランドイメージは、マスクがトランプ大統領との関係を深めて巨額の資金提供を行ったことで、大きく低下した。
さらに、彼が政府効率化省（DOGE）を率いたことも、大きなマイナスとなった。
酷評された「サイバートラック」の失敗を受け、テスラはラインナップの改善が急務となっている。
また、急成長する中国勢との競争にも直面している。

しかし、世界一の富豪であるマスクは、新たなEVモデルで販売を伸ばすのではなく、
同社の未来がロボタクシー（自動運転タクシー）サービスやヒューマノイド（人型ロボット）にあると投資家たちに訴えている。
だが、現状のテスラの収益のほぼすべてはEVやバッテリー、充電サービスからのものであり、この事業モデルの転換は難易度が高い。

テスラは22日、オースティンでロボタクシーの試験運用を開始した。
現時点で事故や負傷者は出ていないが、同社がアルファベット傘下のウェイモと真正面から競合できる状態にないことは、すぐ明らかになった。
このパイロット版ではごく限られた台数のモデルYが、事前に選ばれた少数の乗客を対象として、前席に安全技術者を乗せた状態でサービスを提供中だ。
また、運行エリアは、市内の約78平方キロメートルに限定されている。
それにもかかわらず、複数の報告でテスト車両の挙動に異常が見られ、米国道路交通安全局（NHTSA）は24日、これらの事案を同社とともに調査していると明らかにした。

■人型ロボットの責任者も退社
ウォール・ストリート・ジャーナルは2024年11月の記事で、アフシャーが「マスクのフィクサー」を務める人物であり、社内で最も影響力のある幹部の1人だと紹介していた。
マスクは昨年の経営陣再編で、アフシャーをオースティンの本社に異動させていた。
彼は23日のX（旧ツイッター）の投稿で、ロボタクシーの立ち上げを祝っていた。
「これはテスラにとってまさに歴史的な日だ。このことは、社内の多くの人々の長年の努力と集中の賜物だ。イーロン、私たち全員に力を与えてくれてありがとう！」
と、アフシャーはマスクに感謝していた。

一方、ブルームバーグによると、テスラのヒューマノイド「オプティマス」の開発チームを率いていたミラン・コバックも、今月初めに同社を退社していたという。
テスラの株価は、26日の市場で前日からほぼ横ばいで325.78ドルで取引を終えた。
同社の株価は年初来で約19％安となっている。

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