前略
今回は記念すべき初写真集となる『水平線』(集英社刊)の発売を記念して、タイ・クッド島での撮影秘話やタイトルに込めた想いを綴ってくれた。
自分の話で大変恐縮ですが、6月25日に初めての写真集『水平線』が発売されます。写真集というと、綺麗で人気のある芸能人やアイドルが出すものというイメージだったので、自分にオファーが来たときは本当に驚きました。
「私の写真集なんか誰も見ないし、買わない」
と担当編集の方にもずっと言ってきたし、今でもそう思ってます。でも、いろんな方に背中を押され、写真集なんて人生に一度出せるか出せないかだと思い、挑戦してみることにしました。この半年、様々な仕事をするたびに、「PTSDになった人間がそんな仕事できるわけない」だとか、「病気も何もかも全部嘘だ」と叩かれてきました。
特にグラビア誌に出ると「肌を露出するなんて普通は無理」と言われます。でも、これができるのです。むしろ、できてしまうのです。病気になる前からグラビア誌には出ていたので抵抗がないという側面もありますが、思うように過ごせなかった日々があったからこそ、自分を解放することに躊躇がなくなったのだと思います。
これを“トラウマの再演だ”と言う人もいます。確かにそう見えてもおかしくないと私も思って、何度も自分自身に問いました。それでも写真集をやろうと思ったのは、「今の自分を残して欲しい。私は世間に恥じることなんてしてないし、誠実に生きてきている。そんな今の自分を再び愛したいし、大事にしたい」と考えたからです。
また今回のスタッフさんたちが元々何度もお世話になっているメンバーだったので、心して撮影できるとわかっていたのも、挑戦できた大きな理由でした。この方たちに任せれば絶対にいいものができる、大船に乗った気分で、タイの離島・クッド島に向かいました。
(中略)
病気になった2年前を振り返ると、当時は生ける屍状態でした。鏡にはボロボロになった皮膚や痩せ細ったガリガリの身体が映って、自分が自分じゃなくなったかのように思えて絶望しました。うまく歩くことも食べることもできない日々が続いて、私には何の価値もなく、笑顔で過ごせる未来なんて絶対に来ないと思っていました。
だから、完成した『水平線』を手にした時、カメラの前に再び立ち、過去の自分すらも超えるものを作れて、簡単には言い表せない不思議な気持ちになりました。2年前の自分からは到底想像もできなかった未来が待っていました。
どんなに理不尽なことを経験したとしても、明るい未来が必ずやってくることを、自分の姿を通じて伝えたいと常日頃から思ってます。写真集『水平線』が、見てくださった方々にとって、どんなに辛くて苦しくても明けない夜はないという希望を見出せる作品になれば嬉しいです。
全文はソースをご覧ください
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引用元: ・渡邊渚、初写真集『水平線』今日発売 「肌を露出するなんて普通は無理」「トラウマの再演だ」と言われ…「むしろ、できてしまうのです」 [muffin★]
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