刑務所の中だけで聞くことのできるラジオ放送です。ラジオを聞くことで更生につながるのか。年に一度だけのリクエストに綴られた受刑者たちの思いを取材しました。
◼毎週火曜日の夕方に流れる“刑務所内だけの放送”
全国に12か所ある女子刑務所の1つ「和歌山刑務所」。約350人の受刑者が収容されていて、覚醒剤の使用や所持、窃盗が7割以上を占めています。
ここで、毎週火曜日の夕方に流れるのが、刑務所の中だけの放送。「刑務所ラジオ」と呼ばれています。
▼(ディスクジョッキー 巖水法乗さん)
「はまゆうのみなさん、おかわりございませんか。今月のはまゆう思い出リクエストの時間がやってまいりました。1曲目は炊場のS・Jさんのリクエストです。平井大さんの『Stand by me,Stand by you.』にリクエストいただきました」
2人のディスクジョッキーが月の半分ずつを担当。事前収録したものを夕食の時間に放送します。
▼(巖水さん)
「S・Jさんの思い出は『彼氏との思い出の曲なのでぜひかけてください。毎週楽しみにしています。よろしくお願いします』と書いていただいております」
受刑者からリクエストを募り、楽曲とそれにまつわる思い出を紹介します。2006年に始まった刑務所ラジオ。僧侶の巖水法乗さんは開始当初からディスクジョッキーを務めています。
▼(巖水さん)
「聞いててよかったとか、刑務所でも和歌山に来てよかったとか思ってもらえたら僕らはありがたいし。それだけじゃなしに子どもたちや家族と別れているけど、1人で頑張れる、勇気みたいなものをラジオで培ってもらえたらいいのではないだろうかと」
(略)
◼受刑者自らの反省を促すきっかけに
刑務所は厳しい規律の中での生活。起きる時間や食事の時間など細かくルールが決められていて、単独室の人が自由に会話を楽しめるのは1日50分だけ。そんな暮らしの中で刑務所ラジオは受刑者自らの反省を促すきっかけになることが期待されています。
▼(岡田覚刑務官)
「厳しいだけでは本人たちの反省などにつながらない。このままでは出所後もおなじことを繰り返すのではと。このままじゃ駄目だということを気づかせるためのきっかけになっている」
◼「命にかえてでも取り返しのつかないことを…」強盗殺人罪で無期懲役の女性
リクエストを募るのは年に1度だけ。それでも約400通が集まります。どれも幸せな頃の記憶や家族への思いなどが記されていました。
もう1人のディスクジョッキーはフリーアナウンサーの向井千恵子さん。番組の締めくくりはこのリクエストを選びました。
▼(受刑者のリクエスト)
「特別なことがなくても穏やかな日々を過ごせる事が一番の幸せだということをこれからも忘れずに歩んでいきたいと思いますのでお願いします」
この受刑者が選んだ曲は、THE 虎舞竜の「ロード」。
▼(リクエストを読み上げる向井千恵子さん)
「歌詞の『何でもないようなことが幸せだったと思う』というのが今は胸に突き刺さります」
リクエストしたのは強盗殺人罪で無期懲役の62歳のYさん。知人の借金の保証人になり金銭トラブルの末、その知人を殺害してしまったといいます。
▼(強盗殺人罪 無期懲役 Yさん)
「自分の弱さが引き金になった。弱さゆえにこうなってしまった。もっと人に相談したり、いろんな考えをもっていたら、きっとこういうことにはならなかった。いつも見栄を張って生きていた」
ここに来て20年以上がたちます。逮捕されたとき10歳だった娘とはもう連絡が取れません。
▼(Yさん)「学校に送り迎えしていたこととか、なんでもないことだけど、手をつないで歩いたこととか、公園に行ったこととか、幸せだったんだなとすごく思います。反省とかひと言で終わるようなことではない気持ちでいてます。自分の命にかえてでも取り返しのつかないことをした」
♪ロード/THE虎舞竜
何でもないような事が 幸せだったと思う なんでもない夜の事 二度とは戻れない夜
続きは↓
https://news.yahoo.co.jp/articles/25f0a35ab42bda49cd0c214c9b21cac3152244a0
[MBS NEWS]
2025/6/15(日) 11:10
引用元: ・【和歌山刑務所】リスナーが受刑者の『刑務所ラジオ』 年に1度のリクエストに重ねる思い [煮卵★]
基本個室だし
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