ここ数日、SNSで物議を醸していたのは、福岡市の給食。主菜は“唐揚げ1個”だけで、「寂しい」「少ない」などと多くの批判の声があがっていました。
そこで今回は管理栄養士の視点から、学校給食において調理や費用の面などで考えられることをお伝えしていきます。
話題の給食は、大きなお皿に唐揚げが1つ。そして、味噌汁、ご飯、牛乳のみ。パッと見た印象では「寂しいな」「副菜が欲しい」「唐揚げはもう1つくらい……」と思ってしまいますよね。
福岡市教育委員会の説明では、見た目が良くなるように改善していくとのことでした。正直、最初にそのコメントを見たときは、「え?量じゃなくて見た目なの?」と疑問に思いました。
でも、よく調べてみると、唐揚げは“ゲンコツ大”ほどのサイズで、味噌汁も具沢山。栄養価はしっかり満たしているとのことでした。それでもなぜ、こんなに寂しく見えてしまうのか。私なりに理由を考えてみました。
●材料費の高騰
ここ数年でさまざまなものが値上げされました。それが影響しているのは、家庭だけでなく給食も同じ。唐揚げに使われる小麦粉や片栗粉、油などは、1個作るのと2個ではコストが大きく変わります。
「副菜もつけてあげれば」という声も寄せられていましたが、たとえば味噌汁の具材を副菜として分けて出すのだとしても、別の調味料や盛りつけの手間も増えます。家庭ではあまり気にしないかもしれませんが、給食のように何千食単位となると大きな差に。
また、クリスマスのセレクトケーキなど、絶対に子どもたちに出してあげたい献立を守るためには、日々の細かな節約が欠かせません。特に葉物野菜は冬に急に高騰しがち。価格の変動で献立全体に影響が出ることもあるため、年間を通して予算を調整しながら給食を組み立てます。
●人手不足や作業の大変さ
材料費だけではなく、人手の問題もあります。1個から2個に増やすだけで、衣つけ・加熱・温度確認といった作業がすべて増えるからです。
大量調理は、国のマニュアルに基づいて衛生管理を徹底する必要があります。
たとえば、唐揚げは1つの鍋で3個ずつ温度確認をし、中心温度が75℃以上になっていることをチェック後、さらに1分以上揚げなければなりません。1回1回測定して鍋を入れ替える作業は、想像以上に時間がかかります。
付け合わせの野菜も、ただ切って盛るだけではありません。たとえば、1000食の施設で人参が40本あるとしたら、1人2切れずつ入るように、1本から25切れ以上取る必要があります。これは付け合わせだけではなく、肉じゃがなどの主菜などでも行われる作業です。
給食には材料費のほかに、施設の維持費や人件費もかかっています。厨房では、真夏でもエアコンの効かない中で揚げ物を行い、真冬でも冷たい水で野菜を洗っています。
そのうえ、慢性的な人手不足。給与も簡単には上げられない中で、できる範囲の調理に限界があるのが現状です。

引用元: ・【SNSで物議を醸した唐揚げ1個給食】管理栄養士「さまざまなものが値上げされました、それが影響しているのは家庭だけでなく給食も同じ、材料費のほかに、施設の維持費や人件費もかかっています、人手不足も」
これくらいの現実を見せてもいい
できないなら管理栄養士返上して仕事やめろ
コメント