一方、ヒトへの感染例については、公式発表が極端に少ないため「当局が実態を隠しているのではないか」との懸念がネット上で広がっています。
中国のネットユーザーは「公表された患者数はごくわずかにとどまっている。しかし、実際の感染者数ははるかに多い可能性がある」と指摘し、当局に情報開示を求めました。
6月7日には、あるネットユーザーが「全国各地で鶏・アヒル・ガチョウが壊滅的な被害を受けている」と題した動画を投稿しました。
この人物は「感染から発症までが非常に早く、致死率は80%にも達する」と強調し、業界関係者の間に強い危機感が広がっています。
別のユーザーも6月6日に「鳥インフルエンザの発生は全国的に頻発している。中でも、アヒルやガチョウは全滅している養殖場が多い。」と報告しました。今年初めからすでに10数軒の養殖場で損失が発生し、なかには1万羽以上のアヒルを失った業者もいるとされ、被害額は数百万円から数千万円規模に上るとみられています。
現場の悲鳴は後を絶ちません。天津市の養殖業者は「ガチョウのひな13羽のうち生き残ったのは4羽だけだった」と嘆き、江蘇省の別の業者は「34日齢で突然発症し、2日間で1,000羽から2,000羽が死んだ。隣の養殖場から感染したようだ」と危機感をあらわにしました。
ただ、こうした深刻な状況とは対照的に、公式に確認されたヒトへの感染例は依然としてわずかです。
今年2月9日付の国営メディア『環球網』は、広西チワン族自治区南寧市第四人民病院でインフルエンザH10N3型に感染した重症患者、23歳の女性が治癒したと報じました。
女性は2024年12月中旬に咳や発熱などの症状が現れ、検査結果を待つ間に昏睡状態に陥りましたが、2025年になって意識を回復したといいます。
この事例は広西自治区で初めての報告であり、世界的にも4例目とされました。
一方、SNS上ではすでに複数の省や都市で「鳥インフルエンザの集団感染が発生した」との投稿が相次いでいます。
一部地域では仮設隔離病棟の増設が始まったとの情報も流れています。中国政府はこれらの報告に対し公式コメントを出しておらず、真偽のほどは依然として不透明です。
地方政府は感染拡大の防止に向けて動き始めています。湖南省疾病予防管理センターは4月29日、流行地域から戻った住民に14日間の健康観察を呼びかけました。
北京市でも市民に対し「家きんや野生動物との接触を避けるように」と警告しています。
さらに、広東省広州市や甘粛省金昌市、四川省資陽市、江蘇省無錫市と宜興市、福建省福州市永泰県など各地で「重大動物感染症を想定した緊急演習」が相次いで実施され、山東省?博市でも3月21日に2025年版の大規模演習が行われました。
現在、中国本土では新型コロナウイルス、季節性インフルエンザ、ノロウイルスなど複数の感染症が同時流行しており、多くの医療機関が混雑しています。
同センターが発表した最新データによると、2025年5月の新型コロナ新規感染者数は44万人を超えました。また、インフルエンザ様症状の患者の内、新型コロナ陽性率は、22.8%に達しました。
内モンゴル自治区フフホト市で中医診療所を営む劉昆(仮名)医師によれば、最近は大人と子どもの患者が急増し、受診者も顕著に増えているとのことです。
とりわけ子どもは咳や痰が長引き、数カ月たっても回復しない例が見受けられます。
劉医師は「重症患者は実際には相当数いるはずだが、情報統制のため実態はつかみにくい。病院や火葬場で働く人のほうが詳しいかもしれない」と話しています。
さらに30~50代で突然死するケースが目立つ点にも懸念を示し、「妻が鶏に餌をやりに行く途中で倒れて死亡した人もいる。心筋梗塞や脳梗塞だと説明されたが、発作はあまりにも急だった」と語りました。

引用元: ・【家きん全滅・若者急死】中国各地で鳥インフルエンザがまん延か!?
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