日本のインフレ率は、いまでは主要国の中では断然と言っていいくらい高く、今後もインフレが続くと考えられます。
こうした中、賃上げでの給与増だけが数少ない期待ですが、実際にインフレに勝てるほど給与が増えるのかは今のところ不明です。
1~3月の実質GDPが年率でマイナス0.2%と発表され4四半期ぶりのマイナス成長となりました。マイナス幅もわずかですし、1四半期程度のマイナスだとそれほど心配することはないのですが、今後さらに急速に景気が失速する懸念があります。
図表1は、「街角景気」といって、経済の最前線にいて景気に敏感な人たちに対して行われている調査です。調査対象は、タクシーの運転手、小売店の販売員、ホテルのフロントマン、中小企業経営者、変わったところではハローワークの受付の人たちです。
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彼らに内閣府が毎月調査を行っています。この調査では、数字が「50」を超えていると景気が良くなっていると感じている人の割合が多く、「50」を切ると景気は悪化していると感じている人が多いのです。
この数字が、かなり弱含んでいます。年初には「50」を切っているものの「48.6」だったのが、2月、3月と「45台」まで落ち、それが4月には「42.6」まで下落しました。
5月には少し戻しましたが、低迷している状況です。経済の最前線で景気と向き合っている人たちの景況感が大きく落ちているということです。
先ほど、1~3月の実質GDPがマイナス0.2%と説明しましたが、このままでは4~6月のGDPもマイナスになる確率は低くなく、2四半期連続のマイナスとなる可能性があります。2四半期連続のマイナスとなると、機械的には景気後退と判断されます。
ただ、私が心配しているのは、この先もさらに景気が後退する可能性がある中で、インフレだけがしつこく残る懸念です。
実は主要国の中で、日本のインフレ率が飛びぬけて高いのです。図表2は、今年4月の主要各国のインフレ率を比較したものです。
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日本は英国と並んで3.5%で、他国の2%台などと比べて格段と言っていいほど、高いインフレ率です。ちなみに、中国は景気低迷が続いており、このところはインフレ率はマイナスです。
日本では、企業の仕入れを表す国内企業物価指数も4月で前年比4.0%の上昇で、今後もしばらくはインフレが続くと考えられます。
先に、景気後退の懸念を説明しましたが、このままではインフレ下の景気後退であるスタグフレーションに陥る懸念があります。
スタグフレーションになると、インフレを抑えなければならない一方で、景気も浮揚させないといけないという、非常に難しい経済や金融のコントロールが必要になります。
インフレを抑えるために金利を上昇させると、そのことが景気減速をさらに悪化させる懸念があり、逆に、景気刺激のために金利を下げることや財政出動などを行うと、今度はこれがインフレを加速させることともなりかねないのです。
https://president.jp/articles/-/96814
引用元: ・【小宮コンサルタンツ会長CEO】物価上昇+景気減速 「悪夢のスタグフレーション」 寸前の日本
もうスタグフになってるかもね~
最中やで?
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