◆「農家のサポートになるなら多少高くても」
「中間業者ではなく農家の儲(もう)けになるなら、4000円台でも高くないと思うようになった」と話すのは台東区の主婦(73)。
アンケートでは3000円台後半を選んだが、「ご飯は納豆や卵をかけたり、炊き込みご飯にしたりと食べ方もいろいろあり、考えてみれば便利な食材」とコメの良さを見直しており、国の政策として農家支援を充実させてほしいという。
北区の日本語教師、加藤典子さんも「農家のサポートができるなら多少高くてもいい」と答えた。ただ、急激な価格高騰の原因や流通ルートには不透明さが残るとして、「誰かが不当に儲けているのかと疑ってしまう」と事態の解明を求めた。
アンケートでは3000円台前半を選んだ東京都小平市の会社員佐藤弘太さん(52)も「農家を取り巻く状況が改善し、農業をやりたいという人が増えるなら4000円でも仕方がない」。
千葉県に住んでいた子どものころ、秋田県の親戚が「減反で収入が足りなくなった」と出稼ぎに来ていた記憶があり、今回の高騰も、農家のためにならない農政のツケで「起こるべくして起こったのでは」と感じる。
昨年と一昨年、ご飯を残しがちだった小学5年生の娘(10)のため、埼玉県で一緒に田植えや収穫などの稲作体験をした。
「コメ農家に頭が下がる思い。娘も大変さが分かったのか、ご飯を残さなくなった」と佐藤さん。
「消費者はこれまで農家に甘えてきた。本気で農業の根本を見直すタイミングだ」
こうした消費者の声に、東京新聞に回答を寄せた新潟県魚沼市の生産者、市井晴也さん(58)は「経費が高騰し、経営に大きな余裕はない。コメ価格や農家への理解が広がるのはありがたい」と話す。
若いころ、マレーシアの環境問題など市民活動に取り組み、「日本による木材や食材の輸入が現地の人の苦しみを生んでいる。第1次産業こそ国の根幹だ」との思いを強くし、結婚と同時に杉並区から移住した。
森林組合の仕事の傍ら、中山間地に32枚計約3ヘクタールの田んぼを借りて毎年、低農薬のコメを産直などで百数十人に送っている。
重機による除雪作業や、山から水路に流入する泥水や流木、がれきの処理、周辺の草刈り、土のう積みなど地道な重労働は山のようにあるが、澄んだ水と一日の寒暖差で育まれる甘みの強いコメが自慢だ。
コメ高騰の影響で、今年の新米の予定量1.5万キロは既に予約で完売「知人にも送りたいという注文が増え、受けきれなくなった」
全国19の新聞の合同アンケート コメの価格高騰を受け、東京新聞「ニュースあなた発」をはじめ、読者とつながる報道に取り組む全国の19の新聞が、合同で実施した。
5月9~23日に通信アプリLINE(ライン)などを通じて実施し、7110人が回答。その内訳は消費者が6346人、農業関係者はコメ生産者が501人、コメ生産者以外が263人だった。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/410289?rct=tsearch
引用元: ・【コメ不足・これまで農家に甘えてきた】コメ価格を考え直した消費者の思い・・・台東区の主婦(73) 「農家の儲(もう)けになるなら、4000円台でも高くないと思うようになった」
凶作や不作でなくても美味しいお米が食べられる事が難しくなったことだ
本来糧食生産者の生計には国が補償すべきだろうよ
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