三浦瑠麗氏「備蓄米を求めて徹夜で並ぶ人々」…コメ報道に私見

備蓄米を求めて徹夜で並ぶ人々が話題になっていますが、こうした現象の背景には、「損をしたくない」という心理が存在します。このタイプの人々は社会の中に一定数存在し、声が大きいため、政治やメディアがその影響力を無視できないセグメントです。
メディアは、「損をしている」「不公平だ」と感じさせる情報で世論を煽り、政治は、なるべくそうした批判が起こらないように気をつけます。

たとえば、企業が人気商品の販売を行う際には、「並んだのに買えなかった」「買い占められた」といった不満が噴出しないよう、あらかじめ対策を講じてリスク管理をします。これと同じ考え方が、政治に要求されるのです。
しかし、ここで重要なのは、「損をしたくない人」に不満を抱かせないこと自体が、政策の目的ではないという点です。農政の本来の目的は、需給の安定や持続可能な農業の実現にあります。にもかかわらず、現在の「コメ」に対する注目は、ほとんどが「損をしたくない人」への配慮に偏っているのが実情です。
その配慮だけで「食えてしまう」ために、政治家もメディアも、農業の本質的な課題にはなかなか踏み込もうとしません。

一連のコメ報道が、「店にコメがない」「訪日客が食べすぎた」「消えたコメはどこに」「コメは自分で買ったことがない、売るほどある」「備蓄米を求め徹夜行列」という見出しに次々変遷していったことが、メディアと政治の特性をまさに映し出しています。

午後2:07 · 2025年6月2日
https://twitter.com/lullymiura/status/1929404472293531680

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