なぜ外国人は日本のラーメンが好きなのか。ラーメンの歴史を、明治維新以降の近代化と食、戦後の対米関係やポップカルチャーとの関連も含めて論じた『ラーメンの歴史学――ホットな国民食からクールな世界食へ』を書き上げたケンブリッジ大学教授、バラク・クシュナー氏に話を聞いた。(国際ジャーナリスト 大野和基)
――外国人は日本のラーメンのどんなところが好きなんでしょうか?
とにかく安くて美味しい。ジュネーブではラーメンが1杯3000円くらいで高いと思いながらも、美味しいからみんな食べています。
――日本は今、物価高に苦しんでいて、ラーメン屋でも原材料の仕入れ値や光熱費、人件費も上がっているそうです。一方で、ラーメンは大衆向けの食べ物なので、1杯1000円以上になれば客は高過ぎると感じて違う飲食店に行ってしまうジレンマを抱えています。どうしたら解決できると思いますか?
値上げせざるを得ないでしょう。店は生き残らなければなりません。時給も上げなければなりません。政府が値上げを推進するなら、そうせざるを得ないでしょう。
私が初めて日本に来た頃、ラーメンは400円くらいだったと思いますが、かなりお得でした。しかし今はバランスの問題です。いくら安くても、材料が粗悪で、店が何かをケチろうとすれば、誰も食べないものになります。大衆食堂の定食も1500円くらいに上がっていますから、ラーメンも少し値上げしなければならないと思います。
海外ではラーメンは高くて、ロンドンでは22ポンド(約4200円)。ラーメンは海外では大衆向けの食べ物とは考えられていません。マクドナルドは大衆向けですけどね。
https://diamond.jp/articles/-/365829
バラク・クシュナー/1968年アメリカ生まれ。プリンストン大学で博士号を取得。デイヴィッドソン大学歴史学研究科、アメリカ国務省東アジア課などを経て、ケンブリッジ大学アジア・中東学部日本学科教授。
著書に、Yoichi Funabashi and Barak Kushner, eds. Examining Japan’s Lost Decades. London: Routledge共著、邦訳:船橋洋一編著『検証 日本の「失われた20年」日本はなぜ停滞から抜け出せなかったのか』(東洋経済新報社、2015年)、『思想戦――大日本帝国のプロパガンダ』(明石書店、2016年)、『ラーメンの歴史学――ホットな国民食からクールな世界食へ』(明石書店、2018年)などがある。
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いちいち相手しちゃダメ
食わなきゃ死ぬってわけでもなし。
そこまでして行く理由を教えてくれ
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