公道を走る車の自動運転化技術は日進月歩だが、まだ全面解禁には至っていない。
しかし農場で使用する無人運転トラクターはすでに発車オーライ。
市場は活況を呈し、インドや中国といった農業の盛んな地域がそれを牽引している。
市場規模は現在15億ドル(約2000億円)で、2033年には130~150億ドル(約1兆9000億~2兆2000億円)まで成長すると予測されている。
■無人運転トラクターとは?
無人運転トラクターとはその名の通り、運転手なしに稼働するよう設計されたトラクターのことだ。
その多くはGPS、センサー、レーダー、AI(人工知能)を搭載し、ルートの走行、旋回、速度調整、停止などを自動で行う。
しかし最新型トラクターの自動化は、こうした基本動作にとどまらない。
AI、画像認識、データ分析を統合し、土壌の検査から最適な種子の選択、正確な植えつけ、農地の詳細な地図作成まで、
熟練生産者も顔負けの技を繰り出す──ここまでくれば、農業の未来図もガラリと変わってくる。
■技術革新が急速に進んだ理由は?
2050年までに農業労働人口が26.8%にまで減少すると予測されているインドでは、農家におけるテクノロジーの導入はもはや「選択」ではなく「必須」事項だ。
農村から都市部への労働者の流出、人件費の高騰が進むなか、自動化への移行が加速。無人運転トラクターが実用的なツールとして導入されていっている。
新型無人運転トラクターは人間の作業量を減らすだけでなく、軽量化による土壌圧縮の軽減(=土壌の健全化)など環境に優しい農業にも配慮されている。
休憩なし、文句なしで最長30時間連続稼働する無人トラクターがもたらすのは、生産性の飛躍的な向上だ。
さらに、内蔵されたハイテク安全装置(センサー、レーダーなど)が作業時の安全性も高めている。
■日本のヤンマーも進化の歴史に貢献
とはいえ「農作業を機械に任せる」という概念は、決して新しいものではない。
ここで無人運転トラクター開発の歴史を簡単に振り返ってみよう。
・1940年代
米国のフランク・W・アンドリューがケーブルによる誘導式トラクターを開発。農業の自動化という概念を製品化する
・1950年代
英レディング大学の研究者が、電気信号を用いたセンサー誘導式トラクターを開発
・1980年代
日本のヤンマーがナビゲーションとセンサーを融合させた半自動操舵トラクター「ロボットトラクター」を発表
・2017年:インドのマヒンドラ・アンド・マヒンドラが、自動運転と作業器具昇降機能を備えた、インド初のGPS搭載型無人運転トラクターを発表
・2022年
米国のジョンディアが、AIナビゲーションシステムと3Dカメラを搭載した完全自動運転トラクターを発表。大規模農業経営を進化させる画期的な一歩となった
■「食料の安定的な供給」は国の責務
各国の政府は今、補助金やローンの減免措置、各種特典を農家に提供し、無人運転トラクターの導入を促進している。
この動きは特に、発展途上国で顕著だ。
米国の主要な農業地域では、「大規模農業」と「労働力不足」という2つの要因が重なる地域で無人運転トラクターの導入が加速している。
広大かつ画一的な農園が多い中西部では、アイオワ、イリノイ、ネブラスカなどの州で、トウモロコシや大豆などの作物栽培に無人運転トラクターを導入し、
劇的に生産力を上げている。
西海岸、特にカリフォルニア州とワシントン州では、ブドウ園などの果樹園で労働力が不足。
果物栽培という繊細な作業が求められる分野でも、無人運転トラクターの導入が進んでいる。
また南西部のアリゾナ州では政府のサポートにより、この地ならではの広大な農園が自動化技術の実験場となっている。
これら各地の事例から見えてくるのは、異なる地形、作物、労働力不足といった要因が無人運転トラクターの進化・普及に与えている影響だ。
技術革新がさらに進み、手の届きやすい価格帯になれば、より多くの農地で機械だけがもくもくと働く景色が当たり前となっていくだろう。
関連スレ
【コメ高騰】「JAいらない」ネットに広がる不要論をコメ農家が一蹴 農家直売がスーパーよりも高くなる理由とは★2 [シャチ★]
https://asahi.5ch.net/test/read.cgi/newsplus/1748445286/
引用元: ・【農業】もう人間はいらない? 賢過ぎる無人トラクターが畑を仕切り始めた [ごまカンパチ★]
いや人がいないと盗まれるぞ
ドローンで水田に種ばらまく位しか自動化は難しい
コメント