北東部バイア州の労働検察庁(MPT)は、匿名の通報を受けて調査を開始し、その結果、220人の中国人建設作業員を現場から救出したとしている。
MPTは、3社に対して総額2億5700万ブラジルレアル(約65億円)の損害賠償を求めている。
BYDはBBCのコメント要請に回答しなかったが、これまでに「人権および労働法違反に対しては一切容認しない」との立場を表明している。
当局は昨年末、BYD工場の建設労働者が「劣悪な生活・衛生」環境で暮らしている事態を確認し、同工場の建設作業を停止した。
MPTの発表によると、労働者の一部はマットレスのないベッドで寝ていたほか、1カ所のトイレを31人で共有していた。
MPTはまた、建設現場の労働者がパスポートを没収され、「違法な条項を含む雇用契約の下で、過酷な労働時間と週休なしの状態」で働かされていたとみている。
この現場では、労働者の給与の最大70%が差し引かれ、契約を解除する際には高額な費用を請求されていたという。
ブラジルの法律で定義される「奴隷に似た状況」には、債務による拘束や、人間の尊厳を侵害する労働が含まれる。
問題となっている工場は、ブラジル北東部のカマサリ市で建設が進められていた。2025年3月に稼働を開始し、BYDにとってはアジア以外で初のEV工場となるはずだった。
「Build Your Dreams(あなたの夢を作ろう)」から名前を取ったBYDは、世界最大級のEVメーカーの一つだ。自動車業界の調査会社ジャトー・ダイナミクスによると、同社は今年4月、欧州市場で初めて、米富豪イーロン・マスク氏率いるEV大手テスラの販売台数を上回った。
BYDは、海外市場の中でも最大規模となるブラジルでの事業拡大を目指している。2015年にサンパウロに最初の工場を開設し、電動バス用のシャーシを生産している。
(英語記事 Brazil sues China carmaker BYD over ‘slave-like’ conditions)
(c) BBC News
https://news.yahoo.co.jp/articles/1d71ffe4e57b7557b500c97a42d1f9da1e89f13f
引用元: ・【BBC】ブラジル当局が中国BYDを提訴、工場建設で「奴隷のような」労働と [5/28] [昆虫図鑑★]
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