本当に値段を下げたいなら減反廃止と輸入関税の削減に取り組まないといけない」という――。
■このままでは来年秋までコメの値段は下がらない
コメの値段の水準は市場全体の需要と供給で決定される。備蓄米をいくら安く売ろうが、全体の供給量が増えない限り、コメの値段は下がらない。
もちろん備蓄米の放出は市場全体の供給量を増やすという目的がある。問題は、それが達成できるかどうかである。
JA農協は今年の秋に農家に支払う仮渡金(概算金)をすでに玄米60キログラム当たり2万3000円前後で提示している。これにJA農協の諸経費を足すと卸売業者への販売価格(米価、相対価格と言われる)は2万7000円になる。これは現在の史上最高値の米価の水準である。これより現実の米価が下がるとJA農協は農家に低下分の返納を要求することになるが、そうなると農家は次の年からJA農協に出荷しなくなる。
したがって、JA農協は、今年産が供給・販売される来年秋まで2万7000円の米価を維持する必要がある。
備蓄米の放出で供給量が増えると、この米価は維持できない。しかし、JA農協は通常卸売業者への販売していた量を備蓄米の放出量に見合う分だけ減少させればよい。そうすれば、備蓄米が放出されても供給量は増えず、2万7000円の米価は維持できる。
このような中でコメの値段を下げることは、JA農協、それの支持を受ける農林族議員と真っ向から対決することを意味する。
消費者が購入するコメの値段を3000円に下げるためには、卸売業者が購入する米価2万7000円を2万円に下げる必要がある。
備蓄米を安く売っただけではJA農協は痛くも痒くも感じないが、石破政権が米価を下げるような政策を打ちだせば、JA農協と全面対決になる。
すでに、石破首相をけん制するかのように、選挙でJA農協の組織票をあてにする自民党農林族議員はJA農協の代弁を始めている。
農林族のドンとなっている森山裕幹事長は、5月24日、「生産者がいてはじめてコメができることを忘れてはいけない」「米価は安ければいいというものではない」とし、農家が再生産できる価格で売買されることが重要だとの考えを強調した。
■コメの値段を下げる方法
コメの値段を下げる方法は二つある。国内産のコメ供給を増やして米価を下げようとするなら、減反を廃止して生産量を増やせばよい。 しかし、既に今年産のコメの作付けは終わっている。来年の秋まで待たなければならない。
今年、コメの値段を下げるために供給を増やすなら、輸入の増加しかない。これが河野太郎氏の主張である。
過去に私は何度も主張しているが、そのための一つの方法は、ミニマムアクセス米77万トンのうち主食用米10万トンの輸入枠を30万トンなどと拡大することである。
ただし、備蓄米と同様、輸入量の拡大分だけJA農協が市場への供給量を制限してしまえば、米価は下がらない。
より確実な米価引き下げ方法は、1キログラム当たり341円の関税を削減することである。
消費者が購入する「精米価格5キロ3000円」に相当する「卸売業者がJA農協から仕入れる玄米価格を60キログラム2万円」とすると、これは精米では「キログラム370円」になる。
卸売業者が購入するカリフォルニアからの輸入精米価格150円に220円の関税をかければ同じ値段になる。つまり、関税を220円まで35%削減すればよい。
その価格で輸入が行われることにより国内の価格もその水準まで低下する。精米価格をさらに低下させようとすると、もっと関税を下げればよい。
https://news.yahoo.co.jp/articles/95ab161e77365b3a0320ea1b7a49063fdfa55a39
【元農水官僚でキヤノングローバル戦略研究所研究主幹の山下一仁氏】 「来年の新米が出る2026年秋ごろまでは今の高値水準が続く」
https://talk.jp/boards/newsplus/1747975746
引用元: ・【元農水官僚の山下一仁氏】JA農協は小泉進次郎を鼻で笑っている、備蓄米をいくら安く売ろうが全体の供給量が増えない限りコメの値段は下がらない、コメの値段を下げるには輸入の増加、関税削減しかない
今年の備蓄米は輸入米が残ることになる
それによって国産のコメは増えるわけだ
コメント