認可外施設は都道府県に届け出をすれば設置できる。認可施設と比べ、配置する保育者の割合や保育室の面積基準などが異なる。
国の指導監督基準によると、認可外施設で複数の乳幼児を受け入れる場合、2人以上の保育者の配置が求められている。保育者のうち3分の1以上は保育士か看護師の有資格者などとする要件もある。これらの基準に違反した場合の罰則はないが、定期的に行政のチェックを受けることになっている。
毎日新聞は2024年10月~25年2月、認可外施設を指導する都道府県や政令指定都市、中核市など136自治体を対象に最近3年間の指導状況を尋ねた。7自治体を除き、129自治体(対象施設計約1万5500カ所)から回答を得た。
調査結果によると、保育者の人員不足を理由とする行政指導は、21年度345件▽22年度408件▽23年度320件――だった。保育士などの有資格者不足を指導した件数は、21年度330件▽22年度363件▽23年度312件――に上ることも明らかになった。
基準守る運営、国が支援を
基準違反となる原因を尋ねたところ、多くの自治体が施設側が抱える慢性的な保育士不足を挙げた。指導を受けた施設の責任者が「募集しても保育者が集まらない」と説明しているケースが多いという。
財政難で保育士を雇えないのに運営を続ける施設があったり、基準を知らずに保育者1人でも問題ないと施設側が判断したりしている事例もあった。
和歌山県田辺市の認可外施設では2年前、生後5カ月の女児が急死した。この施設では当時、代表が1人で複数の乳幼児を保育しており、国の基準に反する状態だった。
認可外施設の問題に詳しい鶴見大短期大学部の天野珠路教授(保育学)は「安全と事故防止は認可・認可外の施設を問わず保障しなければならない。潜在保育士の発掘で人材を確保するとともに、認可外施設が基準を守って運営できるよう、国が支援するのも一つの手立てとして必要だ」と話す。【芝村侑美、洪玟香】
毎日新聞 2025/5/22 07:00(最終更新 5/22 07:00)
https://mainichi.jp/articles/20250520/k00/00m/100/028000c
引用元: ・認可外保育施設への行政指導、年300件超 人員不足など理由に [蚤の市★]
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