中国政府、2018年にソウル市竜山の韓国大統領室・米大使館周辺の土地を取得していた

　本紙が国土交通部の土地取引記録や登記簿謄本などを確認した結果、梨泰院洞にある土地11区画の所有者は現在「中華人民共和国」となっている。中国政府はこれらの区画を2018年12月に取得した。

　うち1区画は在韓米国大使館の移転予定地から約1キロの距離だった。米国大使館は2005年、光化門から旧竜山米軍基地の一つである「キャンプコイナー」の敷地に移転することを決めた。ただ、米国大使館は実際にはまだ移転しておらず、既存の建物を使用している。移転を見送っている理由は明らかではない。

　中国政府が取得した11区画のうち2区画は、かつて韓国政府が所有していたものだ。韓国政府は2017年6月、竜山区内の土地2区画を韓国国籍者に売却したが、中国政府がそれを2018年12月に取得した。中国政府が取得した土地は竜山区内に散在しており、大統領室、漢南洞大統領公館との直線距離は1.5キロ前後だ。

　中国政府は土地購入の過程で不動産取得税を全額免除されていた。韓国外交部当局者は記者団の質問に対し、「韓国政府はウィーン条約に基づき、在韓中国大使館の取得税免除手続きを支援した経緯がある」と説明した。中国政府が竜山区内の土地取得契約を2018年12月に結び、翌年残金を支払う過程で取得税免除手続きを支援したものだ。

　1961年に締結された「外交関係に関するウィーン条約」は、外交使節の特権と免除を規定しており、外交使節は公館の業務に使用する不動産に関して租税免除を受けることができる。

　中国政府が韓国国内の土地を取得した事実が明らかになったのは今回が初めてだ。韓国の法律には外国国籍者と外国政府の土地取引に対する制限がなく、中国政府は土地購入に際し、韓国政府に別途の許可を求めるなどする必要はなかった。

　韓国外交部当局者は「韓国にある外国公館が土地を購入する際、韓国政府の同意を得たり、申告したりしなければならない規定はない」と説明した。ただ、外国公館が土地を取得後、建物を新築する場合、その用途および目的について、建設前に政府と協議を行う必要はあるという。

　これに関連し、在韓中国大使館関係者は本紙の電話取材に対し、「職員のための宿舎を設けるなど公務目的で土地を購入したと理解している」とした上で、「（最近数年間）コロナの影響で土地の使用が遅れている状況だ」と話した。同関係者は「土地取得は韓国外交部に届け出た。届け出の用途通りに使う計画であり、用途が変われば韓国政府に改めて説明する」とした。

　米財務省は昨年7月、米国の軍事施設近くで行われる外国人の不動産取引に対する安全保障審査を強化する規定案を発表した。日本も最近「不動産安全保障」政策を強化している。軍事的、戦略的に重要な地域や原発などのインフラ施設の周辺における不動産投資を制限する規定を導入している。

盧錫祚（ノ・ソクチョ）、ク・アモ記者

朝鮮日報 2025/05/22 07:00
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