肥満は心不全（HF）患者のかなりの割合に影響を及ぼしており、BMI（体格指数）の上昇に伴いHFのリスクが高まることが報告されています。
スウェーデン、マルメにあるルンド大学のアムラ・ジュイッチ博士（本研究発表者）は、今回の分析を実施した理由について次のように説明しました。
「BMIは肥満の最も一般的な指標ですが、性別や民族といった要因の影響を受け、体脂肪の分布を考慮していません。ウエスト・身長比（WtHR）は、内臓周囲への有害な脂肪蓄積である中心性肥満のより確実な指標と考えられています。さらに、BMIは逆説的に高いBMIとHFの良好な転帰との関連がありますが、WtHRではそのような傾向は見られません。私たちは、WtHRとHFの発症との関係を調査するために、この分析を実施しました。」
研究対象集団は、マルメ予防プロジェクトの参加者1,792名で構成されました。参加者はベースライン時点で45～73歳で、約3分の1が正常血糖値、3分の1が空腹時血糖異常、3分の1が糖尿病となるように選抜されました。参加者全員について、心不全の発症について前向き追跡調査が行われました。
研究対象集団の平均年齢は67歳で、女性は29%でした。WtHRの中央値は0.57（四分位範囲：0.52～0.61）でした。
中央値12.6年の追跡期間中に、132件の心不全イベントが発生しました。WtHRの上昇は、交絡因子とは独立して、心不全発症リスクの有意な上昇と関連していました（1標準偏差増加あたりのハザード比[HR] 1.34、95%信頼区間[CI] 1.12～1.61、p=0.001）。
WtHRを四分位に分類したところ、WtHRの最高値（中央値0.65）の個人は、他の3つの四分位の個人と比較して、心不全発症リスクが有意に高かった（HR 2.71、95%信頼区間[CI] 1.64～4.48、p<0.001）。
研究の共著者である、スウェーデンのルンド大学およびマルメ大学病院のジョン・モルビン博士は、「今回の分析におけるWtHRの中央値は、心血管代謝リスク増加のカットオフ値である0.5を大幅に上回っていました。
ウエストサイズが身長の半分未満であることが理想的です」と述べています。
さらに、次のように結論付けています。「WtHRは心不全発症の重要な予測因子であることがわかりました。この結果は、肥満治療の恩恵を受けられる心不全患者を特定する上で、WtHRがBMIよりも優れた指標となる可能性を示唆しています。次のステップは、より大規模なコホートにおいて、WtHRが心不全発症およびその他の心血管代謝疾患を予測できるかどうかを調査することです。」
ウエストと身長の比率は心不全の発生率を予測する
https://www.escardio.org/The-ESC/Press-Office/Press-releases/Waist-to-height-ratio-predicts-heart-failure-incidence
引用元: ・【欧州研究】ウエストと身長の比率が心不全（HF）リスクの強力な予測因子に・・・研究者 「ウエストサイズが身長の半分未満であることが理想的です」
160で80なら不利でもないだろ
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