https://news.yahoo.co.jp/articles/c809a25a7dba9329a84b0835924b57d6ed7d7184
5月3日に総選挙を控えるオーストラリアで、北部準州政府が10年前に中国企業「嵐橋集団(ランドブリッジ)」と結んだダーウィン港のリース契約への懸念が強まっている。中国の影響力拡大を警戒する与野党は、ともに契約破棄の方針を打ち出している。(豪北部ダーウィン 作田総輝)
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【表】一目でわかる…「港の99年リース」契約の経緯
引用元: ・中国企業と「港の99年リース」契約、豪州総選挙で与野党とも「破棄」主張…安全保障上のリスク指摘も [662593167]
■450億円
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(写真:読売新聞)
豪州北端にあるダーウィン港のふ頭には25日、客船が停泊していた。港湾エリアを仕切る金網には、「嵐橋集団」と記された看板があり、中国語の文字が目を引いた。
自由党と国民党からなる保守連合が政権を担っていた2015年10月、北部準州政府は嵐橋集団とリース契約を結んだ。期間は2114年までの99年間で、契約額は約5億豪ドル(約450億円)に上った。
海運や港湾管理業務の労働者でつくる労働組合「豪海事組合」のトーマス・マイヨーさん(47)は「誤った契約だった」と強調する。マイヨーさんは当時、北部準州支部の書記長だった。地方財政の状況悪化が背景にあったと指摘し、「安全保障の問題があるにもかかわらず、当局は短期的に予算を増やすことに目がくらんだ」と批判する。
■争点に
3月28日の議会解散で本格化した選挙運動で、この契約が争点になっている。
「港を豪州の手に取り戻す」。与党・労働党を率いるアンソニー・アルバニージー首相は4月4日、豪公共放送ABCラジオでこう宣言した。
中国企業との契約について、労働党政権は23年に発表された調査結果で「取り消しの必要はない」との結論を出した。反対に転じたのは、豪州内で中国の強引な海洋進出などへの反発が年々強まっているためだ。
野党・保守連合を主導するピーター・ダットン自由党党首も「契約は間違いだった」と訴えており、与野党ともに嵐橋集団との契約破棄を主張している。国内の民間企業に新たに貸与したり、連邦政府が介入して公的資産にしたりする案などが検討されている。
■有事の妨害にも
ダーウィン港の近くには豪軍の基地があり、米海兵隊は毎年、ダーウィンに部隊を6か月間駐留させている。港は太平洋にもインド洋にも近い位置にあり、戦略的な要衝だ。
豪戦略政策研究所の上級アナリスト、マルコム・デイビス氏は「中国企業であれば情報共有の面で中国政府に協力せざるを得ず、契約には少なくとも機密情報を奪われるリスクが存在する。有事の際に豪州や同盟国の港湾へのアクセスが妨害される可能性もある」と解説し、早期に中国企業との契約を破棄すべきだと訴える。
中国の覇権主義的な動きは近年、いっそう強まっている。今年2月には豪州近海で中国海軍が実弾演習を行い、民間機が針路変更を余儀なくされる事態も起きた。
一方、嵐橋集団は読売新聞の取材に対し、「我々は地域経済に大きく貢献してきた。選挙運動で政治的な道具として利用されていることに遺憾の意を表する」と回答した。
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