1932年発行。第二次世界大戦前の日本の世界地図が興味深い
今から93年前の1932年。第二次世界大戦前の日本で発行された世界地図が、海外で話題になっている。(中略)
1932年発行の漫画風に描かれた世界地図
この地図は1932年(昭和7年)に新潮社から発行された、「一目でわかる 漫画世界現状地圖」だ。現在はオーストラリア国立図書館のオンラインライブラリに掲載されている。
引用元: ・第二次大戦前、1932(昭和7)年に日本で発行された世界地図が興味深いと話題に [643485443]
二つの世界大戦の間の緊張感漂うヨーロッパ
まずヨーロッパを見てみよう。ノルウェーは世界一の捕鯨大国、空にはツェッペリン号が飛び、イタリアではムッソリーニとグランディがパスタを食し、東からはソ連の工業化を進めるスターリンがヨーロッパを睨んでいる。
ドイツは第一次大戦で敗れたものの、それに屈せず「フランスのへそをヒヤヒヤさせている」とある。ヒトラーがドイツの首相に指名されるのは、この翌年のことだ。
大半が植民地だったアフリカ諸国
アフリカに目をやると、「皇統連綿三千年万世一系の王国」として、アビシニア(現エチオピア)が紹介されている。
ガンジーの存在感にすべて持って行かれる南アジア
南アジアは「イギリス政府の頭痛の種」、ガンジーのインパクトが強すぎる。紅茶はあってもカレーがないのがちょっと不思議?
アフガニスタンの下に見える「ベルヂスタン」は、現在はアフガニスタン・パキスタン・イランにまたがるバルーチスターンのことだろう。
東南アジアに見える「シャム」とは今のタイのこと。前述のエチオピア同様、植民地にならなかった国だ。
オセアニアはカンガルーと大自然のイメージ?
オーストラリアはカンガルーにカモノハシ。コアラやエアーズロック(ウルル)は知られていなかったのかな。
冷凍肉とあるけど、オージービーフはこの頃から人気だったのだろうか。ニュージーランドはマオリ族。羊のイメージはなかったみたい?
アメリカの情報は盛りだくさん
北米大陸。アメリカは野球にラグビー(アメフトじゃないのか)、カウボーイ。アル・カポネが牢屋の中にいる。「ドルがあり過ぎて不景気」だそうだ。カナダのメイプルシロップは、この当時は有名じゃなかったのかな。
ちなみにこの年はロサンゼルスでオリンピックが開催され、日本は7個の金メダルを取った。カリフォルニアの位置には、日の丸をつけた選手たちの姿も描かれている。
地球の裏側・南米大陸
南米はどうだろう。ブラジルは既に日本からの移民が存在感を増していた。リオデジャネイロは「南米のパリ」と呼ばれていたらしい。
どの国も「革命が年中行事」と書かれている。カリブ海周辺は「金持ち連が悠然としてふかす葉巻の産地」。
コロンビアには「パナマ帽」とある。1932年といえば、日本でもパナマ帽が愛用されていた時代なので、よく知られていたのかもしれない。
張り詰めた東アジア情勢
そして日本を含めた東アジア。軍艦に囲まれた日本の象徴は、この当時も富士山と桜だけど、横に座っている人物は、時の内閣総理大臣斎藤実氏? わかる人がいたら教えてほしい。
大陸では前年に柳条湖事件が起こり、満州国が建国された頃。「中華ソビエト共和国臨時政府」を樹立していた共産党の台頭もうかがえる。
海外の反応は?
この地図はSNSや掲示板で拡散されており、実際に目にした世界の人々からは、さまざまな感想が寄せられていた。(以下略)
ヨーロッパ
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アフリカ
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南アジア
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オセアニア
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北アメリカ
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南アメリカ
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東アジア
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満州はどうした?

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