なぜ教員による子どもへの性暴力はなくならないのか。保育士資格と幼稚園教諭免許を持つジャーナリストの緒方健二さんは「かつて取材した、女児への性加害で摘発された男性教員は『そういう行為をしたいがために教員になった』と話し、強い憤りを感じた」という――。
■子どもを取り巻く環境のひどさを実感
初めまして。66歳の前期高齢者です。元朝日新聞編集委員で、退職後に短期大学保育学科に入学、2024年に卒業して保育士資格と幼稚園教諭免許、こども音楽療育士資格を取りました。
【中略】
■加害者の8割は「顔見知り」
性暴力とは何か。さまざまな解釈がありますが、最近になってようやく防止対策に乗り出した政府は「同意のない性的な行為」としています。
個人の尊厳を著しく踏みにじる重大な人権侵害であり、犯罪にもなり得る、とも。年齢や性別にかかわらず、被害を受けると指摘しています。
子どもへの性暴力の事例として、着替えやトイレ、入浴をのぞかれた
▽抱きつかれた、キスされた
▽服を脱がされた▽水着で隠れる部分(プライベートゾーン)を触られた
▽痴漢にあった
▽下着姿や裸の写真・動画を取られた。それを送るよう要求された、を挙げています。
加害者の8割は顔見知りとされます。この中には学校の教員や保育士も含まれます。
子どもへの性暴力は加害者がだれであろうと許せませんが、とりわけ子どもと接することを仕事にしている人はその立場を悪用しているという点において卑劣さが際立ちます。
■「そのために教員になった」加害者も
連日のように発覚する教員らの加害実態に怒りがつのります。
記者時代に女児への性加害で摘発された男性教員に取材したことがあります。「そういう行為をしたいがために教員になった」と聞いた際には、我を忘れて危うくとんでもない行為に及びそうになりました。
その時は何をされたかわからない子どもが数十年たってPTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症する事例が少なくありません。
思い起こせば当方が小学生時代、休み時間になるとクラスの女児を膝の上に乗せたり、体を触ったりする男性教員がいました。
ある日、嫌がっている女児に打ち明けられ、その教員に抗議しました。にやにや笑っているだけで卑劣な行為はやみませんでした。
今なら校長や教育委員会、警察に訴え出て問題教員を駆逐できたのに。同級生を救えなかった当時の無力非力を激しく悔やみ、恥じます。
【中略】
■「採用段階で見抜くのは不可能」
――ほかには
児童ポルノ事案だ。男性教員の勤める小学校に警察から「逮捕した」との連絡があり、突然発覚した。小学校に家宅捜索が入った。
女児や女子生徒の画像を集め、同じ愛好者とネット上で交換していた。懲戒免職の辞令を渡した際、「人間として、今後絶対にこんなことをするな」と言い渡した。「申し訳ありません」と答えたが……。
――ネット上で拡散したその手の画像は永久に出回る。そんなことすら想像できずに児童ポルノにかかわる教員はほかにもいるか
――被害が発生してからでは遅い。事前に見抜くことはできないのか
問題行動を起こす人に限って、「まともな教員」を装うのがうまい。採用段階で見抜くのは不可能だ。
大学では小手先の教育スキルばかり教えている。性暴力が子どもに与える影響の大きさをもっと教えるべきだ。
PRESIDENT ONLINE 2025/04/18 8:00
https://president.jp/articles/-/94351?page=1
引用元: ・「性加害のために教員になった」性暴力で懲戒処分の教員が過去最多…記者が聞いた信じられない職業選択の動機 [おっさん友の会★]
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