群馬県上野村の「御巣鷹の尾根」に墜落した事故機の生存者捜索・救助、遺体の搬送には警察や消防、地元猟友会らとともに、自衛隊が力を尽くした。
僅か4人だった生存者のひとり、当時12歳の少女が自衛官に抱えられながらヘリに引き上げられていく映像をご記憶の方も多いだろう。
ところが、驚いたことに、1日付の本紙『正論』欄で元空将の織田邦男氏が言及し、10日の参院外交防衛委員会で佐藤正久議員が問題視した通り、あたかも自衛隊が墜落事故の加害者であるかのような言説が流布されているのだ。
佐藤議員によれば、陰謀論の元ネタとなった書籍が、「全国学校図書館協議会選定図書」に選ばれていたばかりか、事故現場の登山道に「自衛隊が意図的に殺害した乗客・犠牲者」と書かれた慰霊碑が建立されているとのことで、私も大いに危機感を抱いた。
これを放置しては、慰安婦問題における吉田清治証言同様、?が真(まこと)になりかねない。ましてやその本が学校の図書館に並ぶとなれば、募集難にあえぐ自衛隊へ追い打ちをかけることにもなろう。
何より看過できないのは、遺体や燃料などの臭気漂う凄惨(せいさん)な事故現場で黙々と任務に邁進(まいしん)した自衛官たちの尊厳を踏みにじっていることだ。
陸上自衛隊第1空挺(くうてい)団の小隊長として現場で生存者捜索・救助、ヘリポート造成、遺体後送などの指揮を執った岡部俊哉元陸上幕僚長は、自衛隊が証拠隠滅のために火炎放射器で現場を焼却したかのような「陰謀説」に物理的にも時間的にも「ありえない」と断言する。
同氏は、任務終了後、約1カ月、急性ストレス障害(ASD)に悩まされたことを告白している。地獄絵図のような真夏の山中で、身を粉にして任務に邁進した自衛官たちへの冒?(ぼうとく)は、断じて許されるべきではない。
虚実入り交じった情報があふれる現代にあって容易なことではないが、真実を見極められる高い情報リテラシーを身に付けたいものである。
https://www.sankei.com/article/20250417-QVEEP7E63ROW7BYUYFLZ6MWMSQ/
引用元: ・【自衛隊が証拠隠滅のために火炎放射器で現場を焼却した・・・日航機墜落事故をめぐる陰謀論に現場で指揮を執った岡部俊哉元陸上幕僚長が断言】「物理的にも時間的にも、ありえない」
コメント