●抗議しかできない大人たち」への幻滅
「このデモ、若者がほとんどいないねって、ずっと話していたんだ」
そう語るのは、30代の韓国系アメリカ人女性とイギリス人のカップルだ。
「2020年にブラック・ライブズ・マターの運動に参加したけれど、あのときの参加者はとても若い人たちだった。でも今回はずっと年配の人ばかりなのが、少しがっかりで悲しい」
確かに。筆者はブラック・ライブズ・マターや気候変動に関わるデモを取材し続けているが、先頭に立っていたのは常にZ世代だった。去年沸き起こった親パレスチナの抗議行動も同様だ。しかし政権誕生以降の抗議では、彼らの姿は減る一方に感じる。
背景には、これまでの抗議行動が十分な成果を生まなかったという幻滅感があると考えられる。
筆者が主宰するラジオとポッドキャストの番組NY Future LabのZ世代も「あれだけデモをしても何も変わらなかった」
「抗議運動しかできない大人にはなりたくない」という本音を口にする。
また「投票で自分の役割は果たしたのに、なぜ抗議しなければならないのか」と不満を訴えるZ世代もいた。
前出の韓国系の女性は彼らに同情的だ。「若者はただ、戦うことに疲れているんだと思う。自分たちが何かを変えられると思っていたのに、物事が逆に進んでしまったようなものだから」
●大学キャンパスに広がる「言論弾圧と移民狩り」
若者がデモから距離を置く要因はそれだけではない。もっと深刻なのは大学を中心に広がる言論弾圧的な空気だ。
「もう私たちは抗議行動さえできなくなっている。抗議したことが学校に知られたら、学位が取り消される可能性があるから」。
そう訴えたのはNY Future Labメンバーの大学生だ。
政権による大学や学生への攻撃は激しくなる一方だ。昨年、大学を中心として親パレスチナ・デモが激化したことを受けて、大学でのこうした抗議は全て「反ユダヤ」とされ、厳しい罰則が課されるようになっている。
今年3月、ニューヨークで最も権威ある大学であるコロンビア大学では、親パレスチナの抗議行動に参加した学生の一部を退学または停学処分にした。
さらに卒業した学生数名の卒業証書を一時的に取り消している。「反ユダヤを許す大学の助成金は与えない」という政権の方針に逆らえないからだ。
実は今回のデモで若者以上に不在だったのは、白人以外のマイノリティだ。
特に移民や外国人留学生はさらに怯えている。コロンビア大学の卒業生で永住権保持者のパレスチナ人マフムード・カリルさんが、親パレスチナ運動に参加した疑いで、グリーンカード(永住権)を
剥奪され、不法移民として拘束されたニュースは、移民社会を震撼させた。
現代ビジネス 2025/04/13
https://news.yahoo.co.jp/articles/699b4a4e7381da5cb48a277b2d139da116b4c931?page=2
https://news.yahoo.co.jp/articles/699b4a4e7381da5cb48a277b2d139da116b4c931?page=3
引用元: ・「4月の反トランプデモ」そこで起きていた異変…アメリカZ世代、抗議しかできない大人たちへの幻滅と大学への言論弾圧に恐れ [おっさん友の会★]
コメント