もしそうなら、トランプ関税は、IMFが今後5年間に日本に予測した成長の4分の3を消し去ることになる。
トランプの考え方を知るには、トランプがアメリカ経済にどれだけの害を与えているかを考えてみればいい。
ジェトロのアジア経済研究所(IDE)は4月2日の発表前に発表した報告書で、自動車、鉄鋼、中国などに課された関税により、2027年のアメリカのGDPは2.7%減ると予測した。
これはリセッション並みの落ち込みといえる。
4月2日の関税引き上げにより、JPモルガンは今後12カ月間の景気後退の可能性をすでに60%に引き上げている。
さらに、中期的な成長への期待も低下しそうだ。トランプはMAGA(Make America Great Again/アメリカを再び偉大に)をMAGSA(Make America Growly Slowly Again/アメリカの成長を再びゆっくりに)に変えた。
先行きの不透明感があまりにも大きいため、良くも悪くもこれらの予測がどれだけ当たるかはわからない。しかし、中国がアメリカの全輸入品に34%の関税をかけると発表したことは、危険性が高まっていることを示している。
1930年代初頭以来、世界はこのような事態を経験していない。
これらの行動は、トランプがアメリカ経済にとって良いことをするビジネスマンだという幻想を打ち砕くはずだ。
それどころか、トランプはナショナリスティックなイデオロギーに目がくらんでいて、自分の行動がいかに自滅的なものかを理解していない。
彼の目標はアメリカの貿易赤字(GDPの約4%)をゼロにすることだ。しかし、これは深刻な景気後退を引き起こさない限り不可能である。
トランプは、アメリカが貿易赤字を出しているのは他国が不正をしているからだと思い込んでいる。
しかし本当の理由は、アメリカの消費総額(個人消費、企業投資、政府支出)が慢性的にGDPを上回っているからだ。
だから、その消費を減らすことが、赤字を大幅に減らす唯一の方法なのだ。だからアメリカの財政赤字が最も減少したのは、GDPが伸び悩んだ時、あるいは減少した時なのだ。
貿易赤字が数年間で最も減少したのは、2007年から2009年の大不況期である。当時、失業率は10%まで上昇した。その時でさえ、赤字はGDPの2.3%しか縮小しなかった。
今、日本はどう対応すべきかを考えなければならない。従来、日本は中国やカナダ、EUのような報復措置には非常に消極的だった。
しかし、石破茂首相の「トランプをなだめる」戦略は完全に失敗した。難しいジレンマであり、今夏の参院選の重要なファクターになることは間違いない。
トランプは世界経済とアメリカを大混乱に陥れ、世界の他の国々にもそれを受け入れさせようとしているのだ。
リチャード・カッツ : 東洋経済 特約記者(在ニューヨーク)
カーネギーカウンシルのシニアフェロー。フォーリン・アフェアーズ、フィナンシャル・タイムズなどにも寄稿する知日派ジャーナリスト。経済学修士(ニューヨーク大学)。著書に『The Contest for Japan’s Economic Future: Entrepreneurs vs. Corporate Giants 』(日本語翻訳版発売予定)
https://toyokeizai.net/articles/-/869636
引用元: ・【東洋経済 特約記者 リチャード・カッツ】トランプの目標はアメリカの貿易赤字(GDPの約4%)をゼロにすることだ、彼はアメリカが貿易赤字を出しているのは他国が不正をしているからだと思い込んでいる
それを無視してもう一度トランプを大統領にしたアメリカ国民の罪は重い。まあ相手は
もっとヤバい奴だったともいえるけど。
ほぁああ~!!
アメ公の終わりをみんな見たがってるんだから!
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