【フジ】被害女子アナの女性上司アナ　号泣、慟哭…窓口役に自身も限界まで追い込まれる

　元タレントの中居正広氏の女性トラブルを巡る一連の問題について調査していたフジ・メディア・ホールディングス（ＨＤ）とフジテレビの第三者委員会が３月３１日、調査報告書を公表。被害女性（Ａアナ）が２３年６月中旬から体調不良で休養し、ＰＴＳＤと診断され、昨年８月に退社したフジテレビの元アナウンサーであることを明かした。報告書では、Ａアナの対応の窓口となった管理職の女性アナウンサー・Ｆ（※アルファベット順、イニシャルとは関係ないとみられる）氏が会社との板挟みとなり、苦悩した様子も浮き彫りとなった。

　報告書によると、中居氏による「性暴力」被害が発生したのは２３年６月２日。同６月６日、デスクに突っ伏していたＡにアナウンス室長・Ｅ氏（当時）が声をかけたところ、泣き出し、個室で話を聞くと、号泣しながら性暴力について明かした。翌７日、Ａは、上司アナであるＦ氏に相談。Ｅ氏はその後、Ａとの連絡窓口をＦ氏に一本化した。

　Ｆ氏は医師と相談しながら、Ａの仕事（番組）を続けたいという強い意志を尊重。「ずっと待っている」と直接伝えた上で、入院、治療を医師とともに勧めた。同１０月の改編期に、いったんレギュラーを交代（降板）することとなったが、Ａの番組レギュラーを「戻る場所」として残すため、公式ＨＰ上も出演者として名前を残した。しかし、複数回にわたりＡに事前説明したところ、「私から全てを奪うのか」と号泣されたという。

　Ｆ氏は、番組降板の話をするのは非常につらかったこと、ショックをうけて「慟哭」するＡが心配で、自身のメンタルもギリギリまで追い詰められた、と証言した。

　２３年８月、Ａから８月最終週に仕事復帰したいので、医師や女性支援団体と相談や意見交換する、と連絡を受けたＦ氏が、そのことを執行役員Ｇ氏やＥ氏らに報告。すると、Ｇ氏から“どのような支援団体とつながっているか知りたい”からＡに直接連絡をしてほしい、との指示があった。しかしＦ氏は、Ａが支援団体に相談するのを制限すべきではない、と考えていたため、Ｇ氏の指示には応じなかった。

　Ｆ氏はまた、Ａも出演していた番組のレギュラーであるＫ弁護士が中居氏の代理人に就任することを知り、ショックを受け、「私と守るべきものが違う」と述べたことも記されている。

　第三者委は、性暴力を受け、自死の危険性があるＡへの対応が、「心理支援の専門家ではない管理職が、ＰＴＳＤを発症した部下とのコミュニケーションをひとりで担うことは困難であり、Ｆ氏の負担は大きかった」と指摘した。