インバウンド(訪日外国人)の急増や旅行費の高騰などを受けて、修学旅行の行き先を変更する学校が出始めている。
修学旅行の定番といえば京都というイメージもあるが、インバウンド増に伴う混雑が激しく、予定通りのプランで旅行が進まないトラブルも少なくないという。
首都圏では北陸方面などに行き先変更を検討する学校も出ている。
■「混雑しない日ない」
高知市立南海中学校(高知市長浜)では今年1月、広瀬啓二校長が、例年10月下旬に京都・大阪に行っていた修学旅行先を
名古屋市周辺に変更すると保護者へ説明した。「子供が残念がる」という声もあったが納得した保護者が多かったようだ。
変更の主な理由は京都における観光客の急増だ。前年の修学旅行では班活動で公共交通機関で京都市内の清水寺や仁和寺といった歴史的名所を回るプランだったが、
乗車予定のバスに人があふれ、バスの到着が遅れたり、乗り損ねたりする生徒が相次いだ。
また、大阪市のユニバーサル・スタジオ・ジャパンでも、長蛇の列ができ、アトラクションを楽しめなかったという。
広瀬校長は「京都・大阪は高知から身近な大都市で歴史的価値も高い。だが、混雑が激しくグループによっては訪問先を断念することもあり、教育的効果が見込めないと判断した」と話していた。
関西地方の混雑ぶりは一昨年の修学旅行から感じ始めていたというが、旅行会社に相談したところ「関西は今や年間を通じて混雑しない日はない」と担当者が断言。
行き先の変更を検討し始めたという。行き先が変わることで例年以上に入念な教員の下見が必要であるなど、学校側の負担も少なくないが「柔軟に対応すべきだと考えた」という。
https://news.yahoo.co.jp/articles/aa61da5ca237c990f5e0c267f48c207d92d0d22b
引用元: ・「インバウンド多すぎ」で京都からの撤退迫られる修学旅行 混雑を敬遠してシフトチェンジ [178716317]
■宿泊施設にも悩み
修学旅行を受け入れる宿泊施設側にも悩みがある。修学旅行のような大口契約は通常1、2年前に交わされるが、その後、物価が高騰。
長年にわたって修学旅行を受け入れてきた京都市内のある旅館の担当者は「仕入れ先を見直すなど工夫をしているが、かなり利益を圧迫している」と苦しい現状を打ち明けた。
また、修学旅行は全館貸切での受け入れが基本だが、少子化により一度に受け入れる児童生徒数も減少しているという事情もある。
担当者は「修学旅行は非常に大切で長年学生ファーストで頑張ってきたが、京都から行き先を変更する学校が増えればより厳しい状況になる」と肩を落とした。
■北陸方面が人気
日本修学旅行協会(東京)が令和5年度の修学旅行についてまとめた「データブック2024」によると、全国の中学校の修学旅行訪問先で最も多かったのが京都(24・2%)。次いで奈良(18・7%)、東京(8・7%)、大阪(8・7%)と続く。
協会の高野満博事務局長によると、修学旅行の行き先は2年先の実施を検討する場合が多く、トレンドが変わったことが実際の行き先に反映されるまでには一定の時間がかかるが
「ヒアリングをしていると、行き先の変更を検討する学校は多いと感じる。首都圏の学校では、定番の奈良や京都ではなく北陸新幹線の延伸を受けて北陸方面を選ぶところも増えている」という。
物価高騰のあおりを受けた旅行代金の高騰も修学旅行を取り巻く大きな課題だ。特に高校の修学旅行では円安の影響で、海外から国内へ行き先を変更する傾向が顕著だという。
前述の南海中も「費用が変わるとなっては各家庭に負担を強いることになる」と気をもみ、例年の修学旅行と日数を変えることなく費用を同程度に抑えたという。
このほか、修学旅行そのものを従来の見学型から体験型の学びへと見直す動きも増えてきた。
高野事務局長は「行き先が多様化し、内容を見直す学校も増えている。修学旅行を考えるうえで今は過渡期といえるだろう」と話していた。
明治村もあるでよ
別に他の地域でいいだろ
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