https://gendai.media/articles/-/146922
■目的意識を持つ人の脳は強い
アメリカ・ワシントン大学にて、6000人を超える20~75歳の被験者を対象に14年間にわたって行われた、人生の目標と健康に関する研究があります。
これによると、「人生の目標を見つけ、達成したいと思える重要な目標を定めることは、目標を見つけた時期にかかわらず長生きするのに貢献する」という結論が出ています。
具体的には、目標がある人の方が死亡率は15%低かったことに加え、生活習慣病の罹患率も低かったそうです。
また、目的・目標をもった方が長生きできるという予測が、若い人でも年配の人でも同じように成り立つことが証明されました。
普段から目的意識をもつことが、アルツハイマー型認知症のダメージから脳を守るのに役立つという研究も数多くあります。
人生の目的・目標をもっている人の方が、積極的に外に出て、規則正しい生活をする傾向にあることも関係するようです。
2010年、アメリカ・ハーバード大学で実施された「Track your happiness」(幸せの追跡)という研究を見てみましょう。
この研究では、 世界各国の25万人に自分が行っていることと、そのときに感じた幸福度を点数で評価してもらいました。
日本の複数の企業を担当する産業医からこんなことを聞きました。
コロナ禍後、特に管理職の人たちから、「目的を見失い、前向きな気持ちになれない」といった趣旨の相談が増えたそうです。
もちろん、うつなど、治療の必要なメンタルヘルスの不調を疑う症状を訴える人も中にはいますが、多くが治療が必要というよりは、脳のコンディションの問題に結びついているといいます。
新型コロナウイルス感染症の流行により、価値観が変わり、その価値観と従来の働き方がマッチしない人が増えてきたようです。
■なるべく自分でできる予防をしておく
「ハードに働くことへの違和感」「出世競争への疲弊感」、さらに、「自分には仕事以外何もないという現実への絶望感」「人間関係の希薄さ」……そのミスマッチはさまざまです。
そうしたミスマッチを、前向きに現状を変えることへのエネルギーに変換できている人や自身で消化できている人もいる一方、そうでない人も多いようです。
もちろん個人にもよるので一概には言えません。
しかし、脳のコンディションの問題のレベルで対策が取れると、燃え尽き症候群やうつなどの深刻な状況に発展することを予防することもできるようです。
特に日本の場合は、脳やメンタルの症状への偏見が強く、「家族に連れてこられるまで医療機関を受診しない」というのも社会問題としてあります。
なるべく脳のコンディションを整えて、自分でできる予防をしておくというのが重要なようです。
そして、どんなときに人が幸福だと感じたのかということを分析しました。
■ぼんやり過ごしていては幸せを感じない!
これらの研究を通して、2つのことが立証されました。
ひとつ目は、目的・目標をもって生きることが幸せをつかむには欠かせないということ。
もうひとつは、ぼんやりと過ごしていては幸せを感じにくいということです。
ぼんやりと過ごすというのは、いま起きていることに集中するのではなく、起こっていないことをぼんやり考える、または何も考えていないような状態。
恐ろしいことに、人は起きている時間の約47%を現在起こっていることではなく、夢想に使っているという結果が出ています。
つまり、現在起こっていることに頭を使うのではなく、過去に起こったこと、これから起こること、もしくはこれから起こるかどうかもわからないことに頭を使っているのです。
そして、この現在起こっていることに頭を使っていない時間は、幸せホルモンの分泌を妨げ、幸せでない気持ちに大きく関わっていることがわかっています。
なお、このハーバード大学の研究に参加することができます。〝track your happiness〟と検索すればwebサイトが出てきますので試してみてください。
これらの研究からも、「目的・目標をもち、無為に過ごさないこと」が、脳を含む健康及び幸福に対して重要であることがわかるでしょう。
引用元: ・人生に目標がある人は死亡率が15%も低い…ぼんやり過ごす人の脳が幸せを感じにくい理由 [七波羅探題★]
今夜はカレーを作ってね
目標ゼロ
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