列車の発車を知らせるため、駅ホームで流れる「ご当地発車メロディー」が存続の危機に陥っている。
JR東日本が首都圏の主要路線でワンマン運転を開始するのに伴い、ホームのボタンを押す車掌が不在となり、発車時に運転士が共通の音楽を流す方式に切り替えるためだ。
3月15日にワンマン運転となる南武線では、駅固有の発車メロディーが姿を消す見通しで、ファンから惜しむ声が上がっている。
(横浜支局 佐野真一)
川崎市多摩区のJR南武線登戸駅。1番線ホームから電車が発車する際、「ぼくドラえもん」のメロディーが流れる。
駅近くには市の「藤子・F・不二雄ミュージアム」があり、2016年、開館5周年を記念して採用された。
ミュージアムに行くために駅を利用した三重県伊賀市の男性(30)は「このメロディーが聞けなくなるのはすごく残念」と肩を落とす。同駅近くに住む男性(84)も「この音楽が流れるとホッとする。なくなれば無機質になってしまう」と惜しむ。
「音楽のまち」をうたう川崎市では、南武線の7駅で地元にちなんだ曲を流しているが、全て廃止される見通しだ。
発車メロディーは基本的に、車掌が駅のホームにあるボタンを押すと、スピーカーから流れる。
JR東日本によると、かつての発車ベルやブザーは「うるさい」「嫌悪感を抱く」などの批判があり、ピアノやハープが主体の明るく爽やかな音色を開発。
1989年に新宿、渋谷両駅で導入し、全国に広がったという。
「ご当地ソング」や著名人の出身地などにちなむ曲を流す駅も多い。
故・手塚治虫さんが仕事場を構えていた高田馬場駅(東京都新宿区)では、アニメ「鉄腕アトム」のテーマソングを使う。
JR東日本の担当者は「駅への愛着心の醸成や地域活性化の一環などで導入を進めた」と説明する。
駅固有の発車メロディーが存亡の危機にあるのは南武線だけではない。
JR東日本は昨年11月、将来的な人手不足に備え、首都圏の主要路線で順次、運転士だけのワンマン運転に切り替える方針を発表した。
3月の南武線と常磐線に続き、26年春からは横浜・根岸線で実施予定。30年頃までには山手線などもワンマン化し、発車時は車両に備えられた共通の音楽を使う見通しだ。
鉄道史に詳しい中山嘉彦・大阪学院大学教授は、
「駅固有の発車メロディーは、利用客や地域住民の愛着にもつながり、一つの文化として大切なもの。廃止を惜しむ声が多ければ、復活する仕組みなどが期待される」と話す。
[読売新聞]
2025/2/25(火) 15:00
https://news.yahoo.co.jp/articles/0ff156803e225587967a4778102218edddeec958
引用元: ・【JR東日本】「駅メロ」存続の危機 南武線の7駅で全て廃止 「廃止を惜しむ声が多ければ、復活する仕組みなどが期待される」 [煮卵★]
いいな
ジジィのボランティアで
登戸駅はドラえもんで、宿河原駅はキテレツだったのに辞めるんだね、結構残念
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