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江蘇省蘇州市の虎丘区人民法院(裁判所)がこのほど、市内にある「ウルトラマンの要素であふれたカフェ」に対して、ウルトラマン関連の権利保有者に対する知的財産権の侵害行為があったとして、40万元(約820万円)の損害賠償金を支払う判決を言い渡した。いったんは控訴した被告側が控訴を取り下げたため、同判決は確定した。中国メディアの快科技が伝えた。
蘇州市内にある訴えられたカフェでは、店内にフィギュア、カード、画集、ポスターが並べられ、ドアノブ、グラスにもウルトラマンの要素が取り入れられていた。さらにインターネットでもウルトラマン関連の情報を流し、BGMではウルトラマンシリーズのテーマソングを流していた。また関連商品の販売も行っていた。
その結果、ウルトラマンシリーズの美術的表現などの権利保有者が知的財産権の侵害行為の停止、不正競争の是正、100万元の賠償金の支払いを求めて裁判を起こした。
虎丘区裁判所はこのほど、被告は原告の展示権、複製権、頒布権および情報ネットワーク伝達権を侵害していたとする判決を言い渡した。被告側は店内で、原告側の許可を得ていない商品の販売も行っていた。裁判所は、「消費者がこの店で販売される商品をウルトラマン関連の商品と誤解し、さらにはウルトラマン公式の認可を受けたテーマカフェであると錯覚する恐れがあった」として、被告には商標の知名度に便乗する意図があり、市場競争の秩序を乱す不正競争行為に該当すると認定した。
また、被告側は知的財産権の侵害行為をすでに停止したが、原告の経済上の損失および侵害行為の阻止にかかった合理的な支出を賠償する義務があるとの判断を示し、原告側に40万元を支払うよう命じた。被告は判決を不服として上級裁判所である蘇州中級人民法院に控訴したが、後になって控訴を取り下げたために一審判決が確定した。
快科技は、「商業活動で著名なキャラクターを物理的な媒体上で再現したり、インターネットなどを通じて一般に提供したりする行為は、すべて著作権保持者の管理下にあるものであり、事前に許可を得る必要がある」「陳列した模型やフィギュアが合法的に購入されたものであっても、商業目的で美術作品を含む複製物を公開展示し、それによって集客や顧客誘致の効果を得ることは、著作権法における法定許諾や正当な使用の範囲を逸脱する」との解説を追加した。
解説中にある「法定許諾」とは、著作権者の許可を得ずに一定の条件下で著作物を利用できる法制度のことで、「新聞報道のための引用」や「教科書への収録」などが含まれる。「法定許諾」は、著作権者の権利と社会の公共利益のバランスを取るために設けられた制度だ。(翻訳・編集/如月隼人)
引用元: ・【中国】蘇州の「ウルトラマンカフェ」に知財権侵害で820万円相当の賠償判決―中国メディア [2/23] [昆虫図鑑★]
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