売上高は前年比33.9%増の2兆8943億台湾ドル(約13兆7000億円)、純利益は同39.9%増の1兆1732億台湾ドル(約5兆5500億円)。売上高・純利益ともに過去最高を更新した。
(略)
台湾では、水、人材、電力の供給制約が発生した。中国による台湾への圧力も不安材料だ。今すぐではないにせよ、トランプ米大統領の関税政策等でエヌビディアの成長への懸念が出ることも考えられる。その場合には、TSMCの先行きの業績不透明感が高まる恐れもある。
TSMCは、リスク分散、生産ライン拡大のためわが国を重視している。米国のIT先端企業も対日事業の強化に動き始めた。
当面、世界の先端半導体供給はTSMCに依存するが、それが未来永劫続くとは考えにくい。また、わが国には、TSMCが必要とする関連の部材メーカーが多く存在している。そうした環境を考えると、わが国の半導体産業の復活も決してあり得ない話ではない。
TSMCが日本を重要視するワケ
これまで、TSMCは主に台湾で先端および次世代チップの製造を行ってきた。ただ、環境は変化している。
近年、同社は、独ドレスデンや米アリゾナ州、そして熊本県で工場建設を発表した。
昨年12月、TSMCの熊本第1工場は量産を開始した。対象は回路線幅12〜28ナノメートルの自動車や産業用機器用チップだ。米アリゾナ州でTSMCは3つの工場を設ける計画であり、第2工場は2ナノの半導体製造を予定している。
TSMCによる日米の事業運営を比較すると、今のところ、量産開始スピードでわが国は先行しているとも考えられる
重要なポイントの一つは、政府の迅速な支援だ。
世界の半導体産業は業績に関わらず、数兆円規模の設備投資を毎年実行し、製造技術を高めなければならない。民間企業が巨額投資のすべてを負担することは難しい。今回、わが国の政府の支援はTSMCの要請を満たすことができたといえる。
一方、米国ではトランプ大統領がバイデン前政権の支援を批判し、先行き不透明感は高まりつつある。アメリカの政治は混乱し、支援の先行きも不透明だ。
日本企業の優位性
もう一つの重要なポイントは、サプライヤーの集積だ。
半導体の基板であるシリコンウエハーや回路形成に使う感光材、フッ化水素などの超高純度部材、半導体製造や検査装置でわが国の競争力は高い。半導体の製造に必要な超純水と呼ばれる、極限まで純度を高めた水の生成技術でも日本企業は比較優位性を持つ。
TSMCは超高純度の部材を投入し、製造装置の調整を重ねるノウハウを磨き、世界トップのファウンドリーの地位に上り詰めた。中国が台湾に対する圧力を強めている状況下、TSMCはサプライヤーと距離が近い場所に工場を設ける方が、事業運営の持続性、効率性を高めやすい。
わが国半導体関連企業の製造技術の向上は、先端半導体で独走のTSMCを支える重要な要素と考えられる。
台湾でTSMCは人材、水、電力の不足にも直面した。米国の関税政策がエヌビディアの対中収益の減少につながり、結果としてTSMCの業績不透明感が高まる恐れもある。TSMCが微細化に躓く可能性も排除はできない。
今すぐではないにせよ、いつまでもAIチップ供給分野でTSMCの一人勝ちが続く保証はない。
トランプ大統領の政策リスクを考えると、世界の半導体企業にとり、サプライヤーや製造委託先などリスク分散の重要性は上昇傾向だ。その点、注目されるのがわが国だ。
「日の丸半導体」のラストチャンス
特に、“ラピダス”が注目される。
ラピダスは米IBMと回路設計技術などで提携した。足許、エヌビディアを追いかける米ブロードコムとの連携も報道された。ファウンドリーとしてのラピダスへの期待は上昇傾向にある。ブロードコムは、光電融合と呼ばれる新しい半導体の製造技術も重視しているようだ。
光電融合分野では、NTTをはじめわが国の企業が優位性を持っている。通信速度の向上と電力消費量の削減に向け、光半導体への期待も世界的に高まっている。サプライヤーとの関係強化に加え、次世代の半導体製造ニーズを取り込むためにも、米国の同盟国であり、サプライチェーンが相応に整ったわが国を重視するのは自然な流れといえるだろう。
続きはソースで
真壁 昭夫(多摩大学特別招聘教授)
https://news.yahoo.co.jp/articles/ece49d3e536904c99ea5147689022b43bae72dc4?page=1
引用元: ・台湾TSMCの一人勝ちはいつか終わりを迎える…アメリカが将来を有望視する「意外な日本企業の名前」[1/29] [昆虫図鑑★]
煩雑な輸出入手続きや輸送コストをかけずに生産出来るのは企業にとって非常に魅力的。
サプライチェーン組み替えるのも少なくていいからねただし中韓てめえはダメだw
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