■舞台は昭和66年のアメリカだが… 2025年もゲーム業界ではさまざまな注目タイトルが発売されるわけだが、日本国内で特に一目置かれているのが『昭和米国物語』で
ある。
本作は中国のゲームデベロッパーである「NEKCOM Entertainment」が開発しているアクションRPGで、その世界設定があまりに特異で
注目を集めている。
『昭和米国物語』の舞台は“昭和66年”のアメリカ。この世界では、日本がアメリカを経済的植民地にしており、「昭和アメリカ」が
実現している。ニューヨークの街中には日本語があふれており、アメリカンダイナーには鯉のぼりやお地蔵様といった
日本文化が溶け込んでしまっているのだ。
おまけに昭和66年にはゾンビが発生する大事件まで発生しており、主人公は巨大なトレーラーに乗って戦いを繰り広げながら
この奇妙すぎる世界を旅する。あまりにもぶっ飛んだ設定に注目が集まらないわけがないだろう。
NEKCOM Entertainmentのセンスはもともとかなり特殊なもので、2021年に発表された『DYING : 1983』というホラーゲームも異質
だった。これは「ツナ缶を食べて赤いヤカンを銃で撃たないと扉を開けた瞬間に爆死する」という、
まったく意味不明でカオスなゲームであった。
残念ながら『DYING : 1983』は発売されていないようだが、独特のセンスは次の作品となる『昭和米国物語』に受け継がれている。
■昭和を懐かしむゲームは数あれど
日本文化を取り扱ったゲームはいま、ひとつのブームといえる。元寇を題材にした『ゴースト・オブ・ツシマ』はヒット作になったし、
安土桃山時代の「弥助」が登場する『アサシン クリード シャドウズ』もいろいろな意味で話題になっている。
それでも『昭和米国物語』は異質なゲームである。日本文化に対する理解があるのはもちろんなのだが、
より具体的に言うと80年代に対する解像度が妙に高いのだ。
本作のテーマ曲として採用されているのは、大事MANブラザーズバンドの『それが大事』である。
ある程度の年齢であればこの曲を一度は聴いたことがあるだろうし、まさしく時代の象徴となる曲だ。
なお、この曲はカバー版が香港、中国大陸でも流行していたそうだ。
紹介映像に出てくる小物もニクい。ファミリーコンピュータに似たゲーム機、バネでジャンプできるホッピング、
古臭いデザインのブリキ看板、昭和の子供が遊んでいたらしい車輪を棒で転がす謎の遊びなど、どれもこれも懐かしさを感じさせる。
サンフランシスコでスケバンスタイルの女性がしゃがみこんでいたり、ラシュモア山国立記念公園(大統領の顔の彫刻がある場所)で
侍が切腹していたり、大統領がアニメを鑑賞する時間を確保していたりと、日本がアメリカを統治しているがゆえの
とんでもないギャップが笑いを誘うのも特徴だ。
■ゲーム業界の変化も感じさせる一作
また、中国のゲーム会社がこういった「中規模の買い切りゲーム」を出すのも特徴といえよう。
中国のゲーム業界ではかつてコピー商品がはびこったこともあり、オンラインゲームのようなサービス提供型ゲームが伸びていった。
しかしそれも徐々に変化しつつあり、2024年には『黒神話:悟空』といった買い切り型の大作が発売され、評価されるようになっている。
そして、侍や忍者ともまた違う独特な日本を描いた『昭和米国物語』も注目を集めているわけで、
ゲーム業界の変化がこういった作品の登場によって明確になっているといえよう。
『昭和米国物語』は2025年第4四半期発売予定。日本のゲーム会社では描けないであろう「日本がアメリカを支配した世界」は
どこまでヒットするだろうか。
渡邉 卓也 :ゲームライター
全文はソースから
1/17(金) 12:02配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/05eeadd988d0fee523504851ab9e2f6257ccf647
引用元: ・【東洋経済】 日本文化の奇想天外なパロディが一部で話題の中国製新作ゲーム [1/18] [仮面ウニダー★]
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