ベトナム国会で承認された高速鉄道建設計画によれば、高速鉄道路線は20の省市を通過する。ハノイからホーチミンまでの途中には、重要な都市であるタインホア、ハティン、ダナン、カインホアなどに旅客用駅が設けられ、さらに貨物駅も5カ所設けられる。設計速度は時速350キロで、総工費は約670億ドル(約11兆円)と見積もられている。着工は27年で、35年に完成させる方針だ。
ベトナムは近年、多くの外資投資を誘致して工場を設立しているが、交通運輸ネットワークの不備によりコスト高になっていることがベトナムの発展を阻害している問題だ。現在はベトナムの客運と物流の80%が道路輸送に依存し、鉄道による貨物輸送はわずか1%だ。ベトナムの鉄道は大部分がフランス植民地時代に作られたもので、ハノイからホーチミンまでは30時間以上もかかる。高速鉄道が完成すれば、わずか5時間半になるという。
ベトナムでは20年以上も前から、高速鉄道の建設を求める声があったが、建設費が巨額であるために実現の可能性が疑問視され、見送られてきた。ベトナム国会は2010年に高速鉄道の建設を否決した。主たる理由は、運賃が高額になるためにベトナム人は利用できないということだった。当時はベトナムの経済学者の多くも、高速鉄道建設はリスクが大きすぎるとして反対し、資金があれば「より切実で効率の高いプロジェクト」に投じるべきと主張した。
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ベトナムに高速鉄道建設の能力はない。そのため、他国の協力を求めることになる。筆頭候補は中国だ。中国はすでに、世界で最も大規模な高速鉄道を運営しており、、インドネシアでは東南アジア初の高速鉄道のジャカルタ-バンドン線の建設に成功した。このことは、ベトナムでの高速鉄道建設の事業を受注するための、有力なカードだ。
さらに、ベトナムはハノイを起点にして中国と接続する新たな鉄道路線を2025年年末に着工し、2030年年末に完成させる計画だ。現在の鉄道路線は軌間(線路と線路の幅の長さ)1000ミリの狭軌でだが、新たな鉄道は軌間が1435ミリの標準軌だ。現在も中国とベトナムの鉄道を相互乗り入れする国際列車が運行されているが、国境の駅では列車の台車交換の作業が必要だ。ハノイから中国に通じる鉄道路線が標準軌で建設されれば、両国を結ぶ列車は台車交換なしでそのまま相手国に入れることになる。
この事例でも分かるように、中国と国境を接するベトナムにとっては、技術面を含めてさまざまな鉄道の規格を中国と「連結」された状態にしておくことは、利便性の面で有利だ。このことも、ベトナムが高速鉄道の建設を中国に発注することを後押しするとされる。中国の専門家は、ベトナムの高速鉄道建設の受注に、楽観的な見方を示している。
一方で、日本にはベトナムの交通インフラ建設に大きく貢献してきた実績がある。例えば、2024年12月に開業したホーチミン市初の地下鉄の建設には日本企業が参画したが、日本政府も資金面で支援した。
日本は交通インフラの整備だけでなく、それ以外にもベトナムを支援してきた。日本はベトナムにとって最大の支援国であり、1992年から2021年にかけて日本が提供した政府開発援助(ODA)は累計約170億ドルを(約2兆7000億円)で、ベトナムが受けた国際援助総額の約30%に達した。これらの実績はいずれも、日本がベトナムの高速鉄道建設を受注するために有利に働くはずだ。
2024年3月に当時の鈴木俊一財務相は、ベトナム鉄道計画やその他の重要なインフラ事業への資金調達に日本政府として協力する意向を示した。日本の伊藤直樹駐ベトナム大使も2024年6月にベトナム交通運輸省の指導層と会談した際に、ベトナムの高速鉄道計画に対する日本の強い関心を改めて強調した。
ベトナムが高速鉄道建設について、コストを重視した場合には中国が受注する可能性が高いが、これまでの経緯や政治面を重視た場合には、日本が受注獲得競争に勝利する可能性がある。(翻訳・編集/如月隼人)
亜洲週刊 2025年1月6日(月) 7時30分
https://www.recordchina.co.jp/b946677-s38-c20-d0198.html
引用元: ・【香港メディア】ベトナムの高速鉄道建設で日中が争奪戦、中国有利だが日本にも「勝機」[1/6] [ばーど★]
やらせとけ
中国様の10倍の費用になるからなぁ
中抜きしまくらないとあかんしか
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