https://www.tokyo-np.co.jp/article/3759542025年1月6日 16時00分
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〈追い詰められて 20歳女性の「東京入管収容所日記」〉⑤
東京出入国在留管理局(東京入管)に3カ月にわたって収容されたブラジル国籍のミサキ(20)=仮名=が、2024年11月8日に強制送還された。支援者に託した日記には、厳しい収容所生活に追い詰められていく様子がつづられていた。日本への好感を打ち砕いた入管行政は、これで良かったのだろうか。(池尾伸一)
ブラジルの施設で孤児として育ったミサキは、日系人夫婦の養子になり、12歳だった2016年に一家で来日。在留資格は「留学」で、高校を卒業したものの、夫婦には実子がいるため疎遠になり、専門学校在学中にうつ病も発症。学校の出席日数が足りずに退学となり、在留資格を失い2024年8月に東京入管に収容され、11月8日に強制送還された。
◆弁護士と話すはずが
11月8日の金曜日、ミサキがブラジルに送還される予定日がきた。
支援者の1人が、午前9時の面会開始時間と同時に訪れると、受付の職員が言った。
「もうこの人はここにはいません」
その時すでに、ミサキは千葉県の成田空港にいた。
ミサキが何の帰国支援もないままに帰国することを知った弁護士は、支援者に「帰国を思いとどまるよう最後の説得をしてみる」と申し出ていた。
8日午前中に、ミサキはこの弁護士と電話で話す予定だった。フライトは夜のため、時間はあるはずだった。
しかし、ミサキは午前6時ごろ、職員に「もう時間です。これから出発します」と起こされた。
ミサキは成田空港の入管施設の一室で、職員の監視のもと12時間以上待たされ、午後8時半に飛行機に乗せられた。
搭乗直前までスマートフォンを取り上げられていたので、弁護士との電話はできなかった。
◆「ホームレスになってしまう」
韓国と中東のドバイで乗り継ぎ、計32時間かけてブラジル・サンパウロの空港に着いた。
入管を出た金曜日の朝から丸2日。日本では日曜日の朝だが、12時間時差のある現地では土曜日の夕方だ。
ミサキは、すぐにサンパウロ市内のNPO施設に連絡した。日本のブラジル総領事館が一時的な宿泊先として調整してくれていた。
帰国後の支援が何もない状態で帰国するミサキを見かねた支援者らが、「せめてブラジル総領事館に相談したら」と助言していたのだ。
しかし、NPOの施設は、2日続けて「空きがない」との答え。空港のベンチで、眠れないまま夜を過ごした。
「このままではホームレスになってしまう」
頼みはスマホだけだった。預かっていた東京入管が、飛行機に乗る直前に返してくれていた。
ミサキは、考えられる限りの知人や友人を交流サイト(SNS)で探した。
そして、その名前を見つけた。
◆けがの功名
中学生時代のミサキ
弟の名前だった。
孤児だったミサキは、…
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※関連
池尾伸一記者:東京新聞デジタル
https://www.tokyo-np.co.jp/tags_reporter/a1/ikeo_s
引用元: ・〈追い詰められて 20歳女性の「東京入管収容所日記」〉⑤ [少考さん★]
日系人夫婦の養子なのに出だしからおかしいが
感情はいらないから法の則って処理するだけ
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