しかも 12 日という短期間で成し遂げられたこの大変化。50 年以上続いたアサド親子の支配はあっという間に崩れ去りました。アサド政権下でシリア人がどれほど辛酸をなめたかについては日本のメディアでもときどき報道されていると思いますので、この記事でさらに触れる必要はないかと思います。
この記事では、トルコに住むシリア人たちの現状およびトルコ人たちの反応について触れたいと思います。
【中略】
さて、アサド政権が倒れたことに対するシリア人たちの心境とはどういうものなのでしょうか。
アサド政権が崩壊したことで、シリアに帰る道が開けるシリア人は多くいます。ですから、故国に帰る可能性が現実的になったことに対する喜びは大きいです。
例えば、政治犯として旧政権下で「wanted (お尋ね者)」になっていた人たちが多くいます。
また wanted とまではいかなくても、アサド政権下では国外に脱出した人たちは「裏切者」とみなされる可能性があり、シリアに帰ると即逮捕される恐れもありました。
また若い男性たちは有無を言わさず兵役につかされ、5 年とも 10 年とも分からないほぼ無期限の兵役に就いた後、兵役期間中に死ぬか人を殺すかのいずれかの選択肢しかありませんでした。
こうした危険性があるアサド政権下では、国に帰りたくても帰れないシリア人たちが多くいました。その政権がもう存在しないのですから、恐れる理由もなくなったわけです。
ただし新政権のポリシーははっきりしませんし、今後シリアがどんな風に変わっていくかは未知数です。ですから高揚感の一方で、多くのシリア人が様子見の段階であるといえます。
興味深いことに、非常に多くのシリア女性たちの本音は「帰りたくない」というものです。
実際、「帰りたい‼」と諸手を挙げている女性たちや「今すぐ帰るぞ」と息巻いているシリア女性に会ったことが私にはありません。
もちろん、祖国に自由に行き来したいという思いや親・親族に会いたいという気持ちは全てのシリア人が共通して持っているものです。
ただ、シリアに帰ってそこで生活をしたいかと言われると、二の足を踏む女性たちが圧倒的に多いのです。
【中略】
2 つ目の理由が、トルコで得た「自由」を失うことへの恐れ。「トルコで “自由” を得た」「トルコで開眼した」と感じているシリア女性が非常に多いです。
シリアではごく「普通の自由」が奪われていた女性たちも多く、そのことにすら気づかなかったのです。
【中略】
多くのシリア人女性たちは、生まれ育った地域で身近な親族と結婚し、家にこもり、家事と子育てに追われて年を重ねていく…世代から世代へとこのサイクルが繰り返されてきました。
内戦で難民となり故国を追われることにより、これまで見ることも知ることもなかった外の世界に否が応でも触れることになりました。
一人で買い物に出かけること、一人で近場の友達の家を訪ねることなどなど…シリアでは決して許されなかった「自由」を経験した女性たちが多くいます。
そこで初めて、シリアでの生活は「抑圧」だった、あるいは「権利が奪われていた」のだと気づきます。
Newsweek 2025/01/04
https://www.newsweekjapan.jp/worldvoice/kimura/2025/01/post-27.php
引用元: ・帰りたくない女性たち・帰りたい男性たち ― トルコのシリア難民の現状 [おっさん友の会★]
女って安定求めるからな
シリアに戻ってもイスラム原理主義が跋扈して、ゼロどころかマイナスからのスタートなんて耐えられないよな
借金持ちと結婚するようなもんだ
コメント