それに伴い、市販がなくなるためだ。同誌は2019年に、デシタルのサブスク「ダイヤモンド・プレミアム」を開始。
経済メディアとしていち早く“デジタル化”に取り組んできた。今後の展望について、メディア局長の山口圭介氏と同誌編集長の浅島亮子氏に話を聞いた。
――今回の大幅リニューアルに至った経緯を聞かせてください。
山口氏「雑誌業界全体が非常に厳しいというのは、全ての雑誌編集部が共有している間題意識でしょう。一方で、紙の雑誌自体は、ブランドそのものだと思っています。ですから、メディア局から週刊ダイヤモンド事業だけを切り離し、紙の雑誌を出し続けるにはどうすればいいのか、コスト分析、構造改革を進めながら、紙の雑誌の勝ち残り策を模索してきました。その結論がサブスク雑誌での再出発です」
――現在、市販の雑誌、定期購読の雑誌、デジタルのサブスクと3種類の読者がいると思いますが、どのような違いがありますか。
山口氏「定期購読とデジタルのサブスクの読者は、ビジネスパーソンが中心で非常に似通っています。一方で、市販の読者層はシニア寄りで、平均年齢はどうしても高くなりがちです。
両者の読者層が“乖離”しているところをどう解決していくか、大きな問題でした。みなで話し合う中で、やはり我々が追うべきは、ビジネスパーソンに評価されるような『企業・産業』が王道コンテンツだということになったんです」
――これまで市販の雑誌から内容が変わるということでしょうか。
浅島氏「これまでは、雑誌は万単位で売る必要があるため、投資や教育、ライフスタイル、相続など、大衆向けのテーマを特集してきました。しかし、これでは競合との差別化が難しいと感じています」
――今後の方向性はどうなりますか。
浅島氏「先ほども話に出ましたが、『企業・産業』ものに特化する形になっていくと思います」
――編集部で「デジタル」が中心になっていった時のことを教えてください。
山口氏「2019年6月にデジタルのサブスクに参入して以降、デジタルで記事を配信することを最優先し、そこから雑誌に転載するという形をとっています」
――具体的な数字はどのようになっていますか。
山口氏「2024年1-6月のABC公査データでは、デジタルの有料会員4万3049、雑誌の定期購読が3万1779、雑誌の市販が1万6862です。全体の読者数は9万1782(直販92 含む)で、そのうち81.5%がサブスクリプション(デジタルと雑誌の定期購読を合わせた数)にあたります」
――今後、どのような数字を目指すのでしようか。
山口氏「サブスクの比率を伸ばして、数年後にはデジタルの有料会員数を10万にまで伸ばしたいと思っています」
――「10万」という数字はどこからきていますか。
山口氏「事前に推定した経済メディアのサブスク事業の市場規模を参考にしています。また、2010年頃の週刊ダイヤモンドの実売部数は10万部を超えていました。その頃の水準まで、デジタルで戻すことが目標です」
――雑誌の売れ行きが本格的に厳しくなったのはいつからですか。
浅島氏「リーマンショックや東日本大震災など大きな出来事があった2010年前後から、徐々に苦しくなったように思います。その後も自然災害やコロナのような大きなインシデントがあり、部数がどんどん抜けていく印象がありました」
【出版業界】人気雑誌も「休刊ラッシュ」の苦境 出版社の3割超が「赤字」 過去20年で最大、出版不況で低迷脱せず
https://talk.jp/boards/newsplus/1725752288
引用元: ・【出版不況】週刊ダイヤモンドが書店販売をやめる・・・創刊111年「老舗経済誌」のデジタルシフト、来年4月から「サブスク雑誌」に
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