中国国務院は10月28日、「出産育児支援政策体系を改善し、出産育児に優しい社会建設推進を加速するための若干の措置」を打ち出し、適齢期の結婚と出産および夫婦共同での育児責任を負うように呼び掛け、地方政府に出産育児奨励策を出すように通達した。
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だが、こうした「アメの政策」だけではなく、中国らしい「ムチ」の政策もあるようだ。
「月経警察」や「罰金」の噂が広がる
中国のセルフメディア徳潤傳媒が、とある女性の訴えを海外のSNSに転載したことから、この噂が広がった。「中国政府が三人っ子政策を実施するために、『月経警察』に似たようなものを設置し、出産適齢期の女性の管理コントロールを強化しようとしている」というのだ。
中国のSNS上で、社区(コミュニティ)の党委員会や街道弁公室から電話で、毎月月経が来ているのかという尋問の電話を受けておりストレスだといった投稿が出始め、それに呼応するように「私も同様の経験をしている」「鎮政府に呼び出されて月経について質問された」「パンツまで下ろされて月経を確かめられた」「早く子供を産むように暗にプレッシャーをかけられた」などと言った声が上がっている。
また、 中国のネット上では最近、中国の国家衛生当局が20歳から34歳までの出産可能年齢の女性が年間340万人減少していることに危機感を持って、「思い切った厳しい措置をとる」という噂が流れている。
その噂とは、妊娠適齢期で結婚も出産もしない女性に対し5万元から10万元の罰金を科す、というものだ。この噂が単なるデマであれば幸いだ。だが、今の地方政府の厳しい財政状況で、もし報奨金によって出産を奨励する政策をとるならば、その原資をどうやって調達するかが疑われている。
米ハーバード大学社会学名誉教授のマーティン・ホワイトはラジオフリーアジアに対して、「習近平が女性に多く子供を産むように呼び掛けていることについて、中国社会はひそかに嘲笑している。若者と女性たちは習近平の考え方が完全にでたらめで非現実的だと考えている。習近平は一体何をやりたいのか? 中国の暮らしや社会は子供を3人産み育てるのに適してはいない」と指摘している。
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中国の場合、若者が子供を産みたくない原因の一つは、もちろん経済的理由が大きい。だが、中国の専制政治による管理強化、監視社会の息苦しさに絶望しているからだともいえる。
特に新型コロナ蔓延時の強制ロックダウンによる強引な隔離政策や移動規制は中国共産党専制政治の本質を中国人民にいやというほど思い知らせた。これが「躺平」という「なにもしない」という無気力の態度を若者に蔓延させた。
一部若者たちのネット上の声をみると、「中国共産党が支配する絶望的な国を繁栄させるために子供を産みたくない」「自分のような搾取だけされる不幸な人間をこれ以上増やしたくない」といった本音を知ることができる。
こうした若者に子供を産ませるには、結局、中国共産党は「伝統的な手法」に回帰する。習近平が号令のなかでいう「伝統的手法」がどういう意味で使われているのか、解釈は難しいが、少なからぬ人たちは、プロパガンダと監視統制による「強制」だとみている。
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かつてルーマニアのチャウシェスク政権では、人口を増やすと国力がつくとして、避妊と中絶を事実上禁止し、子どもが4人以下の家庭に「少子税」を課し、妊娠可能年齢の女性には「月経警察」の異名をとる政府の医師が毎月検診を行った歴史がある。
同様の政策が習近平政権で復活する可能性があるのではないか、と多くの人たちが内心、この「新婚育政策」の行く末を見守っている。
引用元: ・【中国】パンツ下ろされ月経確認? 出産奨励策で広がる「月経警察」「子なしに罰金」の噂を荒唐無稽と笑えない理由 [11/23] [昆虫図鑑★]
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