【中国の研究】新型コロナ感染は、急性、両側性、対称性、広範囲の網膜損傷を引き起こす

2022年12月5日から2023年2月28日の間に急性発症の視覚障害で眼科を受診したCOVID-19感染症患者48名（96眼）のデータを収集した。

無症状の患者とすでに回復した患者は除外した。収集されたデータには、患者の人口統計、眼科検査、マルチカラーイメージング（MCI）、赤外線自己蛍光（IR）、スペクトル領域光干渉断層撮影（OCT）、眼底フルオレセイン血管造影（FFA）が含まれていた。

48人の患者のうち、15人が男性、33人が女性で、平均年齢は32歳であった。すべての患者は両眼に障害があった。

OCTでは、48人の患者96眼すべて（100％）で、黄斑部の外網状層と外核層に高反射信号が見られました。

さらに、33人の患者66眼（68.8％）の眼で、楕円体部と嵌合部で異常な反射率が見られました。

MCIでは、46眼（47.9％）の黄斑に花弁状またはくさび形の高反射領域が見られ、IRの低反射領域に一致していました。

54眼（56.3％）の眼で、乳頭周囲または後極部に綿花様白斑が見られました。

COVID-19感染は、急性、両側性、対称性、広範囲の網膜損傷を引き起こす可能性があります。特徴的な所見は、OCT、MCI、IRなどの眼科検査で観察できます。

新型コロナウイルス感染症（COVID-19）は、新型コロナウイルスSARS-CoV-2によって引き起こされ、すでに3年が経過し、急速に広範囲に広がっています。この疾患は主に呼吸器症状で現れますが、基礎疾患を悪化させたり、全身の多臓器障害を引き起こしたりすることもあります。

COVID-19患者の眼科合併症は、前眼部と後眼部のさまざまな部分に関係しており、国内外の文献でこのトピックに関する報告が多数あります。

しかし、これらの報告は主に前眼部疾患と眼科の防疫と制御に焦点を当てており、後眼部に関連する合併症の報告は比較的少ないです。

最近、防疫政策の調整に伴い、当院で治療を求める後眼部疾患の患者数が大幅に増加しています。以下はこれらの症例に関する報告です。

本研究は遡及的な研究であるため、河南省人民病院の倫理委員会は原稿中の「インフォームドコンセントの取得の必要性」を免除した。

ヘルシンキ宣言に基づき、急性視覚障害を有するCOVID-19患者計48名（男性15名、女性33名）を本研究の対象とした。

データは2022年12月5日から2023年2月28日までに、後眼部疾患で当院眼科を受診した患者から収集した。患者データは眼科外来データベースから収集した。

包含基準は次のとおりです。

リアルタイム逆転写ポリメラーゼ連鎖反応（RT-PCR）または抗原検査で2回連続して陽性の結果が出され、COVID-19の確定診断を受けた。

SARS-CoV-2 感染後の全身症状、特に発熱、疲労、頭痛、呼吸器症状の発症。

研究期間中、どの患者も局所眼科用薬剤を投与されなかった。

糖尿病、全身性高血圧、腎不全、タンパク尿、認知症の既往歴などの基礎疾患のある患者は除外しました。眼内手術の既往歴や著しい屈折異常（<-6.00D または > + 5.00D）のある患者も除外しました。

https://www.nature.com/articles/s41598-024-79509-6