■外国人排斥の投稿
中国のソーシャルメディアでは、多くの人が日本人小学生の殺害を悼んだ。一方で、少数のサイバー・ナショナリストらは
大きく異なる論調を展開した。
「日本人が歴史について謝罪しないのであれば、日本人がどのように死のうと何の意見もない」。ソーシャルメディアの微博
(ウェイボー)では、そんなコメントが人気を集めた。また、日本人は第2次世界大戦中に多くの中国人を殺害して
「今日まで謝罪していない。文明人とは到底言えない」と主張した人もいた。
ある中国政府関係者はプライベートなグループチャットで、「日本人の子どもを殺すのは大したことではない」、
「日本人を殺すのは私たちにとって当たり前のことだ」とメッセージを書いたとされる。
中国メディアの鳳凰網によると、この男性はその後、取り調べの対象になったという。
ー中略ー
■オンラインのキャンペーン
サイバー・ナショナリストの怒りに触れているのは外国人だけではない。この数カ月、中国の公人や企業も、
愛国心が足りないと非難されている。
飲料大手の農夫山泉は、中国ビジネスの成功物語の一つとされる企業だ。
同社のミネラルウォーターのボトルは、国中のコンビニエンスストアやレストランのテーブルで見られる。
だが今年3月、ナショナリストらから、製品のデザインに日本の要素を使用していると非難された。
ロゴの一つが神道の社を模しており、ミネラルウォーターのボトルの赤いキャップは日本の国旗を示すものだとされたのだった。
ー中略ー
■危険なバランス
時に、当局が懸念に耳を傾けているように見えることもある。
ー中略ー
それでも、オンラインのナショナリストに関して、当局は手綱を緩くしているようだ。
社会の安定を名目に、反体制派は速やかにアカウントが閉鎖されたり、場合によっては逮捕されたりする一方で、
ナショナリストのブロガーらは、時に扇動的な言葉を発しているのに、より自由な活動が許されている。
国営メディアは、そうしたコンテンツを取り上げることで、その声を増幅すらしている。
BBCは中国政府に、なぜソーシャルメディアでナショナリストのコンテンツが、ほかのデリケートとされるコンテンツと同程度の検閲を
受けていないように見えるのか、理由を聞いた。
その答えは、国家がインターネットにおけるナショナリズムを、「権力に傷をつけない方法で反体制派を消散させる」ための有用な
安全弁とみなしているからかもしれないと、香港浸会大学のルーチウ准教授は指摘。現在のように経済的な問題によって、
「社会が不満のはけ口を本当に必要としている」状況では特にそうだとする。
ナショナリストを奨励し、たまに抑制することで、政府は「ナショナリズムを都合よく利用している。そして、それがあふれ出して」
制御不能な状況に陥る「危険性がある場合のみ、介入している」とルーチウ准教授は言う。
リスキーに思えるかもしれない。だが中国は近年、権力に対する深刻な挑戦を見事に粉砕してきた。2019年の香港での民主化運動や、
2022年の厳しい「ゼロコロナ」政策に反対する白紙抗議デモなどだ。
そのため、政府は危険を管理できると確信している。ということは、ナショナリズムは反発を招きながらも、このまま残る可能性が高い
と、専門家らは言う。
「ナショナリズムは中国の指導者にとって、いい面もあれば悪い面もある。私たちはいま、その犠牲のほうを目の当たりに
している」。ライデン大学のシュナイダー教授はそう話す。
「だが、指導部はナショナリズムを見直したり、捨て去ったりまでして、害の少ないものを選ぶだろうか?
私はあまり期待はしない」
追加取材:イアン・タン
全文はソースから
10/22(火) 11:51配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/d9d646728c5ecf5f4fcf20a67957b12234bcce1a
引用元: ・【BBC解説】 チャイナ・深センの日本人男児刺殺事件、ネットのナショナリズムが悪かったのか [10/23] [仮面ウニダー★]
コメント