https://news.yahoo.co.jp/articles/a49be122f9490e93e7c5cd36a0007f8d55355783
テレビの世界では、説明を嫌う文化があります。なぜなら、「説明が長く続くと、チャンネルを替えられる」からです。
つまり、「説明は面白くない」「好きじゃない」と多くの人は思っているということです。
では、なぜ説明はつまらないと思われるのでしょうか?
それは、感情が動かないからです。
人は感情の変化を求める生き物です。説明にも、感情が動く要素が含まれていなければ聞いてもらえません。
それだけに、「いかに説明を楽しく、聞きたいものにするか」というテーマと向き合ってきたのが、テレビの伝え方なのです。
アナウンサーとして20年以上テレビやラジオの世界で仕事をしてきた石田一洋さんの著書『あなたの話はきちんと伝わっていますか?』から、伝わる説明のコツをご紹介します。
引用元: ・論理的に話せば伝わるわけではない…「説明がヘタな人」「うまい人」の決定的な違い [662593167]
説明が長い
■人は話の「2割」しか記憶できない
説明をするとき、「論理的な伝え方を磨けばしっかり伝わるだろう」と考える人がいます。間違いではありませんが、論理的な伝え方を磨く前に知っておいてほしいことがあります。
それは、人は話の「2割」しか記憶できないということです。これは、聞く気がある、聞く気がないという意味ではありません。話を聞く気持ちがあっても、その内容を次の瞬間には忘れてしまうのです。
私たちの脳は、生きていく上で不要だと判断した情報は次から次に消去されるようにできています。
そのため、どんなに重要なことであっても、聞き手の脳が必要と判断したこと以外は記憶できないのです。
諸説ありますが、脳科学の世界では、短期記憶(一時的に脳に記憶される情報)で覚えていられるのは、平均すると7項目程度とされています。時間にして30秒が限界ともいわれています。
例えば、携帯電話の番号を口頭で伝えられて、どのくらいの間記憶していられると思いますか?
おそらく、10秒前後が限界ではないでしょうか。このように考えてみると、そもそも、脳の仕組みからして話したことの全てを覚えてもらうのは無理というわけです。
頭良くてもそれができないのは下手くそ
■伝わる説明のコツは「削る意識」
人は、話の2割しか受け取ることができません。となると、当然伝える内容は絞らなければなりません。一気にたくさんの情報を詰め込むのではなく、「最低限、これだけは伝えたい」というポイントを絞ることが、伝わる説明のコツです。
削る作業は説明スキルの核なのです。勇気を持って削りましょう!
■時間の制約がよい説明を生み出す
実は、伝える時間の制約を設けると、かえって言いたいことが明確になります。
アナウンサーの仕事では、「生放送で伝えるとき」と、「ロケ先で収録してVTRとして放送するとき」がありますが、生放送のほうが言いたいことをまとめやすいのです。
生放送には時間の制限があります。伝えたいことがたくさんあっても、中継が終われば強制的に終了となります。
そのため、限られた時間で「何を」「どう」伝えたらよいのかを事前に考えるようになります。その結果、「ここは30秒で伝える。ここは1分以内で伝える」と情報の取捨選択の意識が働くようになります。
ところが、これがロケや収録になると、後で編集ができてしまうため、時間を気にしなくてもいいのです。
すると、「せっかくだから、より多くの情報を伝えたい」という意識が働き、あまり重要ではないことも“とりあえず”喋ってしまい、収録時間が長くなってしまうのです。
そして、とりあえず喋った部分は結局オンエアに登場することはありません。そもそも情報の優先度合いが低い部分だったので当然ですよね。時間が短いというのは、必ずしもマイナスなことばかりではありません。持ち時間を制限することで、自分の中で話の要点や優先順位が明確になります。
説明には削る作業が必要だとお伝えしましたが、もし話がまとまらないと感じたら、自分で時間を制限してみるのも一つの手です。
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