東大生の「コンサル志向」なぜ?
引用元: ・東大生「官僚?(笑)外資系戦略コンサルで手に職つけて独立してフェラーリ乗り回すのが将来の夢」 [271912485]
コンサル = 軍師様要は責任を取りたくないだけ
東大生の就職先といえば、中央官庁や大企業というイメージが強い。実際、東京大学新聞社が毎年発表している学部生・大学院生の就職先ランキングを見ると、民間企業の就職先上位は長年、旧財閥系の銀行や商社、老舗の大手メーカーといった、国内で知名度の高い日本の大企業で占められていた。 直近2023年度卒の学部卒生の就職先トップ3を挙げてみよう。1位がEYストラテジー・アンド・コンサルティング、2位がアクセンチュア、3位がアビームコンサルティングという顔ぶれ。正直に明かすと、50代の筆者にはほとんどなじみのない会社ばかりだ。いずれもコンサルティング企業だという。
他にも、上位20社に過去10年で初ランクインした5位のデロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー、13位のボストン・コンサルティング・グループ、日本総合研究所などを含め、東大生の「コンサル志向」が明白に浮かぶ。多くがグローバル展開している外資系だ。
ちなみに、大学院修了生もアクセンチュアが3年連続トップ。採用人数も前年から8人増加して49人となり過去10年で最多。
コンサル志向が顕在化
「コンサル志向が顕在化したのは10年代の中盤以降です」
こう指摘するのは、東大OBでJX通信社(東京都千代田区)執行役員の衛藤健さん(26)だ。衛藤さんは16~20年、東大新聞に在籍し、就職先ランキングの調査・集計にも携わった。東大生のコンサル志向の背景についてこう解説する。
「社会でキャリアやスキルを磨くファーストステップとして、コンサルが有力な選択肢になっていると考えています」
終身雇用や年功序列が崩壊しつつある日本。リクルートワークス研究所が22年に実施した大手企業の若手社員を対象にした調査によると、10年以内に退職を考えている若手社員が約74%に上り、今の会社に20年以上勤めたいという人は約26%だった。若い世代ほど転職を前提に「いかに次のキャリアを選択できる権利を獲得し続けられるか」が新たな「安定」の定義になりつつある。
だとしても、東大生はなぜコンサル業界を選ぶのか。20年に東大新聞とNewsPicksが東大生を対象に行った調査からそのヒントがうかがえる。
リスク回避の意識 人生にとって安定と挑戦のどちらが重要かを聞いた設問では、49.5%が「挑戦」を選択し、「安定」(27.7%)を大きく上回った。また、メンバーシップ型雇用とジョブ型雇用のどちらが自分に好ましいと思うか聞いた設問では過半が「ジョブ型が好ましい」(55.6%)と回答した。衛藤さんはこうしたアンケート分析から見えてきたのは、東大生の「新たなリスク回避」意識だと指摘する。
「多くの東大生が目指すのは、同じ大企業で一生安泰という意味での『安定』ではなく、ジョブ型雇用における『新たな安定』です」
メンバーシップ型が中心だった日本の雇用慣行にジョブ型が浸透しており、東大生はこの変化を敏感に察知している。これまでの日系大企業的メンバーシップ型雇用のもとでは、ベースとなる給与・待遇が年功序列で決まり、その個人差は大きくなかった。
一方、ジョブ型雇用ではベースとなる給与・待遇は年功序列で決まらず、能力や技能で決まる。個人差も必然的に大きくなる。その中でより良い待遇を得るためには、個人としてリスクをとって挑戦するしかない、というわけだ。衛藤さんは言う。
「伝統的な日本企業ではその挑戦が難しく、忌避感を覚えていることの裏返しとして、外資系を含む『コンサル志向』が顕在化した、といえるのではないでしょうか」
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