トランプさん「議会襲撃犯が未だに拘束されてる。WW2の日系人と同じ不当な拘束だ」

米共和党大統領候補のトランプ前大統領は18日、2021年に議会を襲撃した事件の受刑者ほど不当に拘束されている例はないと主張し、同様の扱いを受けたのは「第2次大戦中に強制収容された日系米国人ぐらいだろう」と述べた。ポッドキャスト番組で語った。

議会襲撃事件は20年大統領選でトランプ氏が敗北した結果を覆そうとした同氏支持者らが起こした。有罪になった受刑者と、国策で強制収容された日系人を同一視するのは不適切だとして批判する声が上がった。

強制収容所で生まれた日系3世の不動産業古本武司さん（79）は共同通信の取材に「国家に反逆した受刑者と、罪のない日系人を比較するのは無責任。彼のような人物が大統領候補で恥ずかしい」と憤った。民主党候補のハリス副大統領に郵便投票するという。

トランプ氏は受刑者が「なぜ今も拘束されているのか。だれもこんな扱いを受けた人はいない」と不満を示した上で、日系人の強制収容を引き合いに出した。

日米は1941年12月の真珠湾攻撃を機に開戦し、ルーズベルト大統領は42年2月に大統領令9066号に署名。日系人は「敵性外国人」とされ、各地の強制収容所に入れられた。

戦後に名誉回復運動が高まり、88年に市民の自由法（強制収容補償法）が成立。米政府として過ちを認め謝罪した。

トランプ氏は16日の対話集会で、議会襲撃事件は「愛に満ちた日だった」と振り返り、支持者を扇動したとして自身が起訴されたことについては「悪いことは一切していない」と反論していた。（共同）