2024年10月16日
今年最も期待された映画『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』(全国公開中)は、誰も予測しなかった状況に陥ってしまった。5年前、全世界で10億ドルを売り上げ、オスカーに11部門で候補入りした『ジョーカー』の続編が、批評面でも興行面でも大苦戦している。日本よりひと足早く公開されたアメリカの批評家と観客は、どこに不満を感じたのか。(文/猿渡由紀)
批評家の評を集計する大手レビューサイト「Rotten Tomatoes」によれば、『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』に好意的なのは、批評家の33%、観客の32%。シネマスコア社の調査でも、公開初週末の観客の評価はDと、コミックブックの映画化作品で史上最低の成績だった(これまでの最低評価は2015年の『ファンタスティック・フォー』でC-)。
その時から予想されたことではあるが、公開2週目の週末は、初週末に比べてなんと81%もダウン。DCコミックのキャラクターにもとづく映画において、過去最大の下げ幅だ(昨年の失敗作『ザ・フラッシュ』ですら、73%ダウンだった)。北米外でも先週末に比べ70%と大きく売り上げが落ちており、海外に救いを求めることもできなさそうである。
日本公開前、日本のメディアでは「海外での評は賛否真っ二つ」という見出しが目についたが、これらの結果も示すように、褒めている人よりがっかりした人のほうが多いというのが、実際の肌感覚。抵抗を受けた最も大きい理由と思われるのは、歌とダンスを取り入れ、ミュージカルのスタイルで物語を語ったことだ。
『ジョーカー』続編がミュージカルになることについて、トッド・フィリップス監督は、かなり早いうちに明かしている。しかし、その後フィリップス監督は、正統な意味でのミュージカルではないと言い直しているし、スタジオもミュージカルとして宣伝をしなかった。そのため、事前の知識なしに劇場に行った観客には、こういうものだとまるで予想していなかった人もいたようなのだ。
ベネチア国際映画祭でお披露されたことも示すように、フィリップス監督の『ジョーカー』とその続編は、スーパーヒーロー映画ではなく、シリアスな大人の映画。そうは言ってもアメコミのキャラクターにもとづいているのも事実で、そのジャンルのファンの中心は若い男性だ。つまり、ミュージカルのファンとは言えない人たちである。
Rotten Tomatoesの観客レビュー欄には、「歌が多すぎ。アクションが少なすぎ」「これはいったい何なんだ? ジョーカーはいつから歌手、ダンサーになったのか?」などという感想が見られる。「これをミュージカルでやるのは間違っている」「ジョーカーとDCのファンが何を求めているのかまるで考慮していない」などという書き込みにも、望んでいたものを得られなかった欲求不満が見て取れる。
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引用元: ・【映画】一体なぜ…『ジョーカー2』批評&興行面で大苦戦の原因 レビューでは「ファンが何を求めているのかまるで考慮していない」 [muffin★]
そりゃ爆死も納得
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